<オープン戦:巨人2-2阪神>◇14日◇岐阜

 阪神榎田大樹投手(24=東京ガス)が、巨人戦初登板で3回2安打無失点の好投を見せた。2番手で4回から登板。120キロ台後半のカットとスクリューを武器に、強力打線を封じ込めた。

 「巨人は一番見ることが多くて、意識すると思ったけど、大胆に攻めていければと思った」。

 前回登板の6日横浜戦(高松)は主力の森本、村田の四球から失点。反省を生かし、この日は阿部、小笠原、坂本に対して果敢に内角を突いた。1巡目に許した走者は、失策の1人のみ。2巡目で阿部、ライアルに連打を浴びたが、巨人に早くも苦手意識を植え付けたことは確かだ。

 半旗が掲げられ、鳴り物もない。東日本大震災後、初のオープン戦での登板だった。昨年まで住んでいた東京では、計画停電も始まった。東京ガス入社1年目、東京電力で研修を行ったこともある。

 「大変なんだろうというのも、少しは分かります」。

 揺れ動く心を必死にこらえ、目の前の敵にぶつかっていった。

 「プロというか、人として、人間として支え合っていければいいです」。

 今できる、自分の仕事を全うした。【鎌田真一郎】