<オープン戦:巨人2-2阪神>◇14日◇岐阜
スコアボードの上には日の丸、球団旗が半旗で掲げられた。球場の3カ所には募金箱が設置され、試合前には黙とうがささげられた。今、グラウンドに立っていて良いのか。被災者を思い、悩み苦しみながら、虎戦士は全力プレーを貫いた。タイムリーを放ったクレイグ・ブラゼル内野手(30)の言葉がナインの胸中を代弁していた。
ブラゼル
もちろん、地震や津波で亡くなった方、被災された方を思う気持ちを持って試合に入った。と同時に、開幕への準備もしないといけない。今日はチャリティーマッチだから、できる限りのことをしたかった。
岐阜・長良川球場。東日本大震災発生後、初のオープン戦が行われた。収益の一部を復興支援金とする1戦には1万3411人の観客が集まった。オープン戦とはいえ、被災地を思えば自然とプレーは熱くなる。伝統の一戦は白熱した接戦となった。
両チームのゼロ行進は6回終了まで続いた。7回1死一、二塁。5番ブラゼルが均衡を破る。巨人2番手高木の内角直球136キロを強振。ライナーで右前に運び、先制点をたたき出した。08年は埼玉に本拠地がある西武に在籍。東日本を襲った大災害には人一倍胸を痛めていた。チャリティーマッチに参加したからには、ベストを尽くしたかった。
ブラゼル
日本全体がこれだけのことになってしまって…。みんな気持ちは同じだと思うよ。
オープン戦打率4割1分2厘と好調をキープ。刻一刻と迫るシーズン開幕へ、プロ野球選手として冷静に準備を進める。そして、1人の人間として、1人でも多くの被災者の無事を願っている。【佐井陽介】



