<オープン戦:ソフトバンク4-0ヤクルト>◇19日◇福岡ヤフードーム

 タカの無失点男だ!

 ドクターKだ!

 ソフトバンク摂津正投手(28)が、東日本大震災の復興支援試合となった19日のオープン戦・ヤクルト戦(福岡ヤフードーム)に先発し、6回を3安打、6奪三振、無失点に抑えた。これで対外試合18イニング無失点。右のエースとして、風格が漂ってきた。

 ピンチにも動じない。5回2死満塁。打者は1番青木だ。摂津は、内角低めのカーブで巧みにタイミングを外す。昨季セ・リーグ首位打者を一ゴロに仕留めると、表情をまったく変えずにベンチに戻った。先発転向後、最長の6回、最多の87球を投げた。抜群の制球力で無失点に抑えた。

 「ほぼ狙ったところに投げることができた。徐々に力を抜いて投げることができた」

 6三振を奪い、ヤクルト打線を寄せ付けなかった。リードした細川も「シンカーでもカーブでも三振をとることができる。コントロールがいいからいろんな配球が可能となる」と振り返った。

 摂津にとって、特別なマウンドだった。秋田市出身で、JR東日本東北に所属していた社会人時代は仙台市内で過ごした。試合前、多くのファンが募金に参加してくれたことを同僚から伝え聞き、胸が熱くなった。東北出身者として被災地を勇気づける投球をしたかった。熱い気持ちがこもった投球を見せつけた。

 「ファンの声援はありがたい。結果を出したかったし、(結果が)ついてきて良かった」

 昨季71試合に登板した中継ぎエースが、右の先発の柱に生まれ変わろうとしている。秋山監督は「あとは球数だな」と話し、次回の登板では、さらに投球数を増やす方針だ。開幕が延期されるパ・リーグで、第5戦の4月16日西武戦(福岡ヤフードーム)で先発することが確実だ。

 「これからは、もっとピンチの時もあると思う。7、8、9回にも同じような投球ができるか。課題はまだある」

 先発に転向してから、まだ1カ月しかたっていない。だが、もう貫禄(かんろく)十分だ。気を引き締めた無失点右腕が、このまま開幕まで突っ走っていく。