<オープン戦:オリックス0-1ヤクルト>◇21日◇京セラドーム大阪

 マウンドに上がれば、悲しみは胸にしまう。仙台市出身のヤクルト由規投手(21)が、最速152キロで4回を1安打無失点に抑えた。直球、変化球をコーナーに集め、1回に唯一出した走者は遊ゴロ併殺打に打ち取った。左腕に喪章をつけながら「とにかく腕を振ろうと思った」。直球と同じ腕の振りで、昨季後半から投げはじめたチェンジアップが切れを増した。

 予定の4回を無四球、打者12人で打ち取った。「試合に入ったら試合に集中する。やれることをしっかりやるだけ。やれることをしっかり」と繰り返す。

 仙台育英2年時、バッテリーを組んで甲子園に出場した1学年上の斎藤泉さん(仙台大)とは、いまだに連絡が取れていない。石巻市在住だった。「なかなか切り替えは難しい。気になるのが正直なところ」と言う。地震発生当初は車内暮らしだった実家は、復旧への見通しが立ちつつあるが、「とにかく無事を祈るしかない」と心の痛みは続いている。

 プロ入り初の2ケタ勝利を挙げた昨季から、飛躍が期待されるシーズンがまもなく始まる。「少しでも力になれるように頑張っていきます。元気と勇気を与えられるように、頑張っていく」。開幕前最後のオープン戦で、その準備を整えた。【前田祐輔】