楽天は、被災した本拠地のKスタについて、4月29日をメドに興行を再開したい考えを明らかにした。

 21日、都内のホテルで行われた臨時のパ・リーグオーナー会議後、楽天島田亨オーナーは球団職員を制し、質問が尽きるまで決意を語った。「まず何よりも、戦後最大の災害の中、被災者の心情を最大限に配慮したい」と述べた後、続けた。

 島田オーナー

 クリネックススタジアムの修復は、現時点では思うように進んでいない。検査をしている段階。4月29日をメドに、興行できる態勢までは戻していきたい。Kスタの見た目はどうでもいい。お客さんの安全を担保できるよう、構造修復に努めたい。

 Kスタ宮城では、今日22日から本格的な球場修繕が始まる。球場自体の修繕期間は6週間、という専門家の意見がある。建築業界関係者は「大きな工事となるが、定められた工期は絶対に守ることがこの業界のプライド」。大目標として「4月29日」が定まった。

 島田オーナーは「自治体は野球の前にやることがある。宮城、仙台に負担をかけずにやっていく」と、第一義を決して忘れなかった。その上で「飛行機で山形に入り、バスで移動という形を考えている。仙台空港が再開するまで、とは考えていない。宿泊施設も、いくつかホテルが再開すると聞いている」と、具体的な運用案について説明した。試合実施には他球団の協力が不可欠だが、「ソフトバンクさんからは、主催試合を福岡で行う場合には、チケット販売も手伝ってくれるという話までいただいた」。パ6球団の足並みはそろっている。

 チームはこの日、甲子園室内練習場を借り全体練習を行った。星野監督は「まだ分からないが、思っていたより早いな、という印象。選手にとっては目標になるだろう」と述べ、移動続きの生活について「みんな慣れてきた」と続けた。東北のみんなが待つ仙台へ。自軍をたくましく鍛え上げて帰る。【宮下敬至】