<オープン戦:広島3-3ソフトバンク>◇21日◇マツダスタジアム
広島嶋重宣外野手(34)がバットで被災地にエールを送った。「東日本大震災被災者支援試合」として行われたソフトバンク戦の6回、好機の代打で右前適時打を放った。他の選手とともに募金活動にも参加。東北高時代の先輩ら被災した人たちのため、精いっぱいの支援をするつもりだ。
全ての思いをバットにぶつけた。2点を追う6回2死満塁。代打で登場した嶋はソフトバンク吉川の6球目に食らいつき、ライト前へ運んだ。1点差に迫るタイムリーを放ち、勝負強い打撃健在を示した。
「ああいう場面(での起用)があると思うので。しぶとく行きました」。
思い出の場所が津波にさらわれていく様子を、ただ見ていることしかできなかった。東北高時代に過ごした仙台の町。友人の自宅が、テレビ中継のそのさなかに、波に飲み込まれていったという。
「津波に襲われて流され、やっと救助された人もいる。やっと昨日連絡がついた人は、助かったけれど家と車を全て流されたと言っていました。テレビで僕らが見ているよりも、深刻な状況みたいです」。
野球をやっていていいのかと自問した。いても立ってもいられず、何かできないかと選手会長の石原に相談した。石原が呼びかけて広島の選手会で衣類などを送ることになった。球団はトラックを用意して選手会の集めた衣類だけでなくさまざまな救援物資を載せた。その物資は20日に仙台に届けられた。この日は球場で募金活動も行った。
「その話を(友人たちに)したら、感動してくれた。募金していただいたお金が何かの形に変わり(被災者が)少しでも楽になれば。でもこれで終わりじゃない。続けていかないといけません」。
苦難を乗り越えてセンバツに出場する東北高の後輩たちにもエールを送る。
「思い切りプレーして勝ち負け関係なく楽しんでほしい。それが仙台の人たちの力になると思う」。
いまだに29日に開幕を迎えるべきか戸惑いはある。だが、やるからには集中してプロのワザを見せる。そして、甲子園の後輩たちに差し入れを、被災地には広島の選手有志とともに義援金を送るつもりだ。支え合う精神とプレースタイルは、11年カープにも欠かせない。



