楽天田中将大投手(22)が今季12球団初の完投&完封を決めた。練習試合の西武戦(29日・ほっともっと神戸)で先発して散発5安打、三塁を踏ませない力投だった。最速148キロで12三振を奪った。シーズン初戦は開幕4戦目、4月15日に甲子園で主催が決まったオリックス戦に内定し、29日に予定する本拠地・Kスタ宮城開幕戦へと向かう。12日ロッテ戦(QVC)の開幕投手は5年連続で岩隈久志投手(29)が務める。
開幕前の調整ではなかった。観客が誰もいないマウンドで、田中が完封した。ストライク先行で3球勝負も挑み、8回までわずか93球。「今日は100球と決めてたんで、もう1イニングいきました。シーズンにとっておきたかったくらい。球威も制球もよかった」と納得の表情で振り返った。本来なら開幕している時期。初の開幕投手を熱望してきた22歳は、当然のように9回も投げ抜いた。
練習試合とはいえ、西武涌井に堂々と投げ勝った。この日は他球団のエース格がそろって先発。中6日で開幕へ向かうローテーションを見据えてのことだが、星野監督の胸の内は違った。「仕上がってるな。守ってるヤツの安心感が違う。甲子園の初戦は田中に投げさせたい。甲子園で生まれ育ったんだから」と威勢良く声を張り上げた。Kスタ宮城の代替球場として、甲子園で4月15日から主催するオリックス3連戦の“開幕投手”に指名した。
田中にとって忘れられない聖地だ。駒大苫小牧時代に全国連覇を果たし、3年夏には早実の日本ハム斎藤と決勝で1-1で延長15回再試合の名勝負を演じた。星野監督も阪神監督時代に本拠地として優勝した甲子園には、特別な思い入れがある。岩隈から開幕投手を奪うと明言した田中の気持ちもくんだうえで「今日のような投球をしてくれれば、甲子園が必ず盛り上がる」とうなずいた。
田中は開幕4戦目となるが、被災した仙台に初めて降り立つ29日Kスタ宮城開幕戦も任せられる。仙台を憂う気持ちは、今年の原動力になっている。「他のスポーツ選手がお手伝いをしたりするのを見て、自分はいけなくて。何かの力になれればといつも考えています」。甲子園と仙台の「ダブル開幕投手」を担う役割はシーズン開幕投手に匹敵する大役となる。【柴田猛夫】



