こういう試合をひっくり返せるというのは、本当に強いチームということだ。
7点は取られたが、3回以降はある程度、リリーフの投手が流れをつくった。特に桐敷だ。3点差に迫った直後のマウンド。味方のエラーもあり、満塁のピンチを招いたが、よくしのいだ。あそこでリードを広げられなかった中日は痛かったし、阪神は逆転の流れを呼び込んだ。
今季の桐敷の投球を見ていると、丁寧にコーナーを狙っていくということはできている。一、二塁間を抜けたりというのはあるが、長打を打たれそうな雰囲気ない。球自体はキレていて、打者にしっかりと振られてのヒットにはなっていない。それでも防御率は6点台という成績だ。この日のマウンドを復調のきっかけにしたいところ。そこで思うのは、投球の幅を広げることだ。内、外の幅はできているが、高低の幅がない。今は打者も低めを狙っている感じだ。コントロールがいいのだから、ボールゾーンに投げてもいいぐらいの気持ちで、胸元の高さに投げてほしい。そうすれば、打者の目線も上がる。変化球が高くなるのはよくないが、真っすぐの高低があれば、もっと楽に投げられるはずだ。
2年前は70試合に登板し、防御率1・79と結果を残した。もともと力のある投手だ。調子を上げれば、終盤の重要な場面を任せられる。
打線で気になったのは、岡城の打撃だ。ボール球に手を出してしまっている。特に低めの変化球。1番打者がそういうもろさを見せるというのは、得点においては難しくなる。「フォアボールを選べ」ということではなく、同じ三振するのでも、球数を投げさせるとか、相手が嫌がることがしないといけない。状態がいいのだから、1番で起用されているのだが、「打ちたい」「打ちたい」というのがあまり出過ぎてもね。1番に指名されているんだったら、しつこさみたいなのを見せる、そんな役割を担う必要がある。(日刊スポーツ評論家)




