そら、丸裸にせな。オリックス岡田彰布監督(53)が3月31日、星野楽天へ大がかりな偵察を仕掛けた。オフを返上して楽天-西武の練習試合(ほっともっと神戸)をコーチ5人を従えて視察。空室だったテレビ局の放送ブースにこもり、情報を集めた。今季の注目カードとなる元阪神監督同士の対戦に向け、並々ならぬ決意を示した。

 突然の視察だった。岡田監督が休日を返上して、星野楽天の戦いぶりを見守った。手にした感触を口にするはずはなかったが、口元に浮かんだ笑みが収穫を物語った。

 「楽天は1回見とる。たまたまこっちおるから見に来たんやん。やるのはまだ先やん」。

 楽天とは3月10日のオープン戦(京セラドーム大阪)で1度、対戦している。「去年(のオリックス)を見てたら『今年はよう走るなあ』という印象があると思うよ」。機動力を使って先勝し、自軍との力関係、ある程度の情報を手にした。ただ、それから3週間が経過し、チーム状態も変わっている。最新情報を生で得られる機会を、生かさない手はなかった。スタンドからは球団スコアラー3人が密着マーク。岡田監督はあくまでも日程上、都合がついたための「観戦」を強調したが、実態は本格的な敵情視察だった。高代ヘッドらコーチ陣も偵察の成果は一切口にせず、球場を去った。

 楽天とは4月5、6日に練習試合を行い、15日からの開幕2カード目で、パ主催試合では史上初となる甲子園開催で激突する。さらにKスタ宮城の開幕カードでも対戦する。元虎将対決としてただでさえ注目度の高いカードに、日本中が注目する。準備の大切さを説く指揮官の情報収集にぬかりはない。【押谷謙爾】