日本ハム梨田昌孝監督(57)が、開幕を見据えた超積極采配を繰り出した。6日に福岡ヤフードームで行われたソフトバンクとの練習試合で、今季の攻撃的オーダーを有効利用して5-4の逆転勝ち。7回1死二塁の勝ち越しの好機に、稲葉をベンチへ下げるギャンブル策。代打二岡の決勝打と的中し、会心の白星へとつなげた。

 復権にかける1年間の決意表明のような剛腕を、ふるった。梨田監督が、勝負どころでベンチをおもむろに出た。7回、稲葉に左腕の神内が投入されると、代打二岡で応戦した。その切り札が「与えられた役割を、精いっぱいまっとうしたい」と、三遊間を破る決勝打。終盤の接戦勝利へつなげる予行演習を、完璧に成功させた。

 梨田監督は「シーズン中ならあまりやらないけど」と話したが、少しは本番を想定した策だった。稲葉は交代予定ではなく、戦況を見据えての一手だった。この日まで代打で2打数2安打の勢いを買っての的確な用兵。参謀の福良ヘッド兼打撃コーチは「二岡は(投手が)右でも左でもいける。いろいろできる」という珠玉の駒を使い、的中させた。

 今日7日の敵地でのソフトバンクとの練習試合が、開幕前の最終実戦。指揮官も選手と同様に、頭脳フル回転の最終調整に入った。2月のキャンプ終了後に、右手首に慢性的に抱えるガングリオン(脂肪塊)が悪化。一時は右手を少し動かすだけでも激痛が走るほど悩まされたが、今3連戦前に札幌市内の病院で、応急的に除去する処置をした。

 「もう動かしても平気や」。そんないつも通りになった手腕を、戦局でも発揮した。前日5日はサヨナラ負けを喫したが、痛快に返り討ち。「練習試合とはいえ、負けるわけにはいかんからね」。昨季の5年ぶりBクラスから巻き返しを期す今季。梨田監督の2年契約最終年に挑む準備は、整った。【高山通史】