西武ドラフト1位・大石達也投手(22=早大)が「守護神テスト」に臨んだ。7日、埼玉・大宮での練習試合ロッテ戦で、1点リードの9回から登板し、1回を2安打1失点。同点に追いつかれて“一発合格”はならなかったが、勝ち越しは許さなかった。チームは抑え不在の緊急事態。シーズン開幕後、中継ぎで結果を積み重ねれば「日替わり守護神」として起用される可能性は十分ありそうだ。

 出番は突然やってきた。「ピッチャー、大石」。1点リードの9回、抑え役にドラフト1位ルーキーが指名された。ブルペンでは「2番手」と言われて待機したが、「8回くらいに言われて、久々で若干緊張しました」。4投手がつないできた最後のマウンドへ。早大時代に力を発揮したポジションが「懐かしい」と感じた。

 開幕前の最終戦で与えられたチャンス。抑え不在に悩む渡辺監督の抜てきに、こたえられれば最高だった。真っ向勝負が売りの155キロ右腕が、最速138キロ止まり。伸びはあっても、球速不足で怖さがなく「思ったところに制球できなかった。甘いボールは打たれる」。1死から岡田、荻野貴に連続二塁打を許し、同点に追いつかれた。

 抑えは、勝ちきれない西武の泣きどころだ。昨季33セーブのシコースキーが震災の影響で一時帰国し、再来日のメドが立ってない。藤田、長田ら代役候補が結果を出せず、適任者がいない非常事態。大石を先発から中継ぎに転向させ、抑えでも緊急テストした渡辺監督は「キレのある重いボールがある。ただ今日は力んで、左足が突っ張っていた」。練習試合とはいえ、レベル差も重圧もアマ時代の比ではなく、目先の結果にはこだわらなかった。

 ただ近い将来への可能性は感じさせた。同点とされた後、井口に四球を出して1死一、二塁のピンチ。「感じは悪くない。先発の時より腕は振れている」と気持ちを切り替えた。4番金泰均を133キロ内角直球で見逃し三振。今江を一邪飛に打ち取り、勝ち越しは許さなかった。「大学の時に全然投げられなかった」という内角攻めに、成長の跡が見えた。

 チームの課題は解消されないまま、開幕を迎える。「日替わり守護神」でやりくりする考えの渡辺監督は、大石の起用に「シーズンではまた考える」と慎重だ。まだ本調子ではなく「仕上がりは8割くらい」という大石には伸びしろが期待できる。小野投手コーチは「大石も可能性はある。この状況だから、調子のいい順にどんどん使っていく」と言った。与えられたポジションで結果を積み重ねれば、おのずとチャンスは近づいてくる。【柴田猛夫】