<楽天2-1オリックス>◇16日◇甲子園
楽天が大リーグからの復帰コンビの活躍で首位を守った。16日オリックス戦の5回、先頭の岩村明憲内野手(32)が右前打で口火を切り、松井稼頭央内野手(35)が左中間を破る2点適時二塁打で、0-0の均衡を破った。先発永井が8回途中まで1失点と好投し、片山、スパイアーとつないで1点差で逃げ切った。代替ホーム開幕となった甲子園で2連勝。リーグ2位に入り、クライマックスシリーズ(CS)に進出した09年以来の、開幕2カード連続勝ち越しを決めた。
カズオらしい、よどみないスイングだった。5回の決勝2点適時二塁打。中山のインロー直球を呼び込んで左中間を割った。「なんとかかえそうという気持ち。その前の好機で打たないと」と控えめに喜んだ。ベンチでは雨あられの祝福が待っていた。最後に肩をポンポンとたたいたのは岩村。この回先頭の背番号1は、外角球を太い前腕で引っ張り込み、右前打で足掛かりを作っていた。右方向への強い打球は今季初。星野楽天の金看板2枚が並び立ち、単独首位をキープした。
昨秋、相次いで日本球界復帰し楽天入りした。オフには合同自主トレを実施。互いの存在を意識し、息を合わせ新天地で大暴れする刃を研いだ。そんな2人はグラウンドを離れても“運命の糸”で結ばれていた。
開幕前の4日、大阪市内で決起集会が行われた。これまで選手と裏方スタッフだけで行われてきたが、初めて首脳陣やフロントも全員が参加した。震災の影響で練習、試合、移動の毎日だったが、誰もが本拠地仙台と東北の現状に心を痛めていた。一方でシーズン開幕が刻一刻と迫っていた。「今年は全員で決起集会をやろうじゃないか」。チームに起こり得る動揺を抑えようと、誰が提案するでもなくみんなが集った。
一致団結を図り席割りが工夫された。親しい者同士が固まらないよう抽選で決められた。外国人選手と通訳も別々。ところが、フタを開けると星野監督の両脇は松井稼と岩村だった。指揮官が今年のカギと期する2人が助さん格さんよろしく陣取り「出来過ぎですよ!」とツッコミが飛んだ。和やかな雰囲気で会は進み、田淵ヘッドコーチの「我々はファミリーだ。星野丸に乗り遅れるな」の号令で締められた。
個の力だけで勝利はつかめない。楽天に来てすぐ、岩村は「僕や稼頭央さんが来たから『さあ、優勝だ』となるわけがない。選手全員で力を合わせ戦わないといけない。大事なのは『きずな』です」と話している。岩村を得点圏に進めたのは嶋の左前打であり、最少失点でつないだのは投手陣の踏ん張りだった。連日の1点差勝ちに、松井稼は「一体感が出てくる」と言った。
開幕2カード連続勝ち越しは、野村監督(現名誉監督)のもと、リーグ2位でCSに進んだ09年以来。星野監督は「しんどいが、みんなでしのいでくれればいい。どんどん、どん欲に」。全員・全力の積み重ねで突き進む。【古川真弥】



