<ソフトバンク4-9西武>◇16日◇福岡ヤフードーム
まさかのKOデビューだ。ソフトバンク摂津正投手(28)が、プロ初先発で大敗を喫した。西武4番中村に2発を浴びるなど、9安打8失点で5回途中KO。昨季まで中継ぎエースとして抜群の安定感を誇った右腕の先発投手としての幕開けは、プロ初の大量8失点というあまりにも無残なものとなった。次こそは…。
打球が左翼席に吸い込まれるのを確認すると、ぼうぜんと口を開き、摂津がマウンドにしゃがみこんだ。5回表1死二、三塁。西武中村にフルカウントから投じたシンカーが、真ん中に甘く入った。
容赦なくフルスイングされた打球は、この日2発目の3ランとなった。1点を追う展開で、この回一挙4失点。初回にも中村の3ランを含む4連打で4失点した右腕は、プロ入り後初めて大量8点を失いうなだれながらマウンドを降りた。
摂津
そんなに緊張したつもりはなかったんですが、初回はちょっと硬かった気がします。先発を任された以上、その仕事をしっかりやり遂げたかったんですが…。チームに申し訳ないという気持ちです。
先発のマウンドは、何かが違った。勝利の方程式「SBM」を支えた昨季までの2年間で、141試合に登板。1イニングに4失点したのはたった1度だけだった。許した本塁打も2シーズン、172イニングの登板で6本だけ。その右腕が初めて1試合に2被弾し、1試合で2度も1イニングに4点を失った。
3年目で夢の先発マウンドに登った。長年チームは先発右腕不足に悩まされており、首脳陣は苦渋の決断で「SBM」を解体。春季キャンプ開始3日前に、正式に先発転向を伝えられた。8年間を過ごした社会人のJR東日本東北では先発。04年からドラフト候補に挙がりながら08年に指名されるまで、1日300球以上を投げ込むことも少なくなく、チームには「摂津専用ブルペン」もあった。先発への思いは、人一倍強かった。
2年間中継ぎ調整を行ってきたため、スタミナ面などを問題視する声もあった。だがキャンプからの少ない準備期間をものともしなかった。2軍戦も含め開幕前の実戦8試合36イニングで4失点と好投を続け、文句なしの開幕ローテ入り。だが初先発は西武打線の餌食になった。
秋山監督
立ち上がり力が入ったな。その辺だね。
指揮官も含め、摂津の力がこんなものでないことは誰もが知っている。先発として船出は厳しいものとなった。だが、スターター摂津の戦いは始まったばかり。この1敗はムダにしない。【倉成孝史】



