<ソフトバンク10-8西武>◇17日◇福岡ヤフードーム

 岩崎、ごめん…。ソフトバンクの守護神、馬原孝浩投手(29)が、笑顔なき今季初勝利をあげた。1点リードの9回に登板。無失点に抑えれば、今季初セーブとなり、先発岩崎のプロ初勝利が決まるはずだった。先頭の佐藤を2ストライクと追い込む。3球目。内角フォークが左翼席へ一直線。伏兵に同点弾を浴びた。

 「あそこで打たれてはいけない。直球が良かっただけに残念。翔(岩崎)の初勝利がかかっていたのに申し訳ない」

 その後は無死一、二塁のピンチをしのいだ。9回に松田がサヨナラ弾を放ち、今季初勝利は転がり込んできた。だが喜べない。21歳のホープの初勝利を消した責任を感じた。岩崎から「僕がもっと長いイニングを投げていれば良かった。すいません」と逆に謝罪され胸が熱くなった。10日深夜に母孝子さん(享年57)ががん性髄膜炎で死去した。開幕日の12日に告別式に出席。調整不足は否めないが言い訳にするつもりはない。

 「それ(母の葬儀出席)を言い訳にしたくないし、そう言われたくない。自分の生命線はフォークの制球。課題ははっきりした」

 高山投手コーチは「西武打線のスイングがすごかった。(リリーフ陣は)今いる選手が中心になるのは間違いない」と馬原への変わらぬ信頼を強調した。必死に前を向いたタカの守護神。次こそ完璧リリーフで、先発投手に白星を、天国の母に今季初セーブを贈る。【奈島宏樹】