<ロッテ2-0西武>◇19日◇QVCマリン

 パ・リーグを代表する投手が、今季初勝利を挙げた。ロッテ成瀬善久投手(25)は、内角を強気に攻めて西武打線を4安打に抑えて完封、三塁を踏ませなかった。

 打たれる気がしない。9回2死からフェルナンデスを空振り三振に切って取ると、成瀬はマウンド上でガッツポーズ。「前回はホームランで負けて、すごく悔しかった。千葉で1勝できたのがうれしい」。熱投137球。三塁を踏ませぬ圧巻の投球だった。

 開幕5試合で39得点と絶好調の西武打線に、マリンの風を味方につけながら、巧みな配球で決定打を許さなかった。「ボールになってもいいからインコースを突いた。レフトは失速する」と冷静だった。中堅から本塁へ吹く打者には逆風。試合開始時はほぼ無風も、回を追うごとに強まり、4回には10メートルを超えた。多少は甘いボールでもスタンドインはない。大胆に内角を突くことで、外への変化球がより有効になる。腕を振って直球を投げ込んだ。

 強気に攻めた一方で、初球に細心の注意を払った。楽天との開幕戦、6回まで1失点と好投しながら、7回に嶋に左翼への決勝3ランを浴びた。「相手も狙っていた。慎重にいかないといけないところ」。ストライクを取りにいった初球を打たれた。だからこそ慎重に慎重を重ねた。「バッターによって使い分けた」と下位にはストライクから入っても、クリーンアップには変化球でコースを突いた。不用意な1球をなくすべく攻め方を徹底した。

 昨季はリーグワーストの29本塁打を浴びたが、大胆かつ慎重な投球で今季初勝利を挙げた。「風に助けられた。僕の中では本塁打の当たりが、フライで終わった」と大飛球に肝を冷やす場面もあり、1発病対策は完璧ではないが、今後への手応えはつかんだ。「被本塁打王の汚名は返上し、こういう試合を連続してできるようにしないと」。同じ失敗は繰り返さない。それがエースというものだ。【鈴木良一】