<ソフトバンク1-2楽天>◇19日◇福岡ヤフードーム

 馬原、頑張ってくれ!

 ソフトバンクが首位取りに失敗した。楽天戦の延長10回、守護神の馬原孝浩投手(29)が勝ち越しを許しての黒星。馬原は2年ぶりとなる登板3試合連続失点の不調だ。ストッパーの復調なしで、リーグ連覇は見えてこない。

 あまりに厳しい現実も受け止めなければいけないのが、ストッパーの宿命だ。馬原が登板した延長10回、黒星に流れが傾いた。先頭の嶋に四球。1死二塁から、松井稼に決勝の左中間二塁打を浴びた。後続は断ち切ったが、1点の重みは誰よりも知っている。敗戦の責任を一身に背負った。

 馬原

 先頭打者の四球は絶対やってはいけない。(決勝打は)誰に投げても打ってくださいという球だった。

 通算161セーブの右腕が、不振にあえいでいる。これで登板3試合連続失点。09年9月に3戦連続失点して以来のレアケースだ。過去2試合は自身の投球が敗戦に直結しなかったが、今回は今季初黒星。開幕直前に実母が亡くなり、調整不足は否めない。中でも生命線と認めるフォークが落ちないのが、事態の深刻さを物語っている。

 それでも、2軍調整や配置転換の可能性を、首脳陣は否定した。秋山監督は祈るように発奮を願った。

 「馬原に頑張ってもらってね。いいものを取り戻してもらわないと」。

 高山投手コーチも「試合の中でいいものを出してほしい。(配置を)変える気持ちはありません。苦しいときを乗り越えられるのが馬原。彼を信じて、彼なしでは前に進めない」と言い切った。馬原の抑え転向はプロ2年目の05年。08年に右肩故障で長期離脱した以外は、過酷なマウンドに立ち続けてきた。背番号14の復調を願う思いに揺るぎはない。

 もっとも、この日ばかりは馬原だけに敗因を求められない。打線は10回6安打で長打ゼロ。1点を奪うのがやっと。馬原が完全復活するには、数試合の登板が必要な状況で、打線の援護は欠かせない。開幕7試合目で、首位を奪えなかった1敗は、そう痛くない。ただ、守護神が輝きを取り戻せるかどうかで、今後の戦い方は大きく左右される。そして馬原が、この屈辱をどう受け止めているか。

 馬原

 なめられっぱなしではいけない。

 再び光を放つための気概は失っていない。【松井周治】