<横浜0-2広島>◇20日◇横浜

 これが4番の一撃だ!

 広島が新外国人チャッド・トレーシー内野手(30=マーリンズ)のひと振りで横浜戦を制した。1点リードの6回2死一塁で右翼線二塁打を放ち、来日初打点をマーク。開幕から不調だった4番打者のお目覚めだ。引き分け1試合を挟んで5連勝。05年以来の貯金3に乗せ、単独首位。主砲の状態まで上を向き、さらに上げ潮じゃ!

 主砲のワンショットが「勝利の女神」を広島へとなびかせた。スコアは1-0だった。均衡した勝負の流れが動いたのは6回。2死後に広瀬が中前打で出塁するとトレーシーも続いた。横浜高崎の外寄りスライダーをとらえ、右翼線に運ぶ。一塁走者広瀬は一気に本塁へ。先発篠田は小気味よくゼロを並べていた。貴重な1点を加え、主導権を完全に引き寄せた。

 トレーシー

 やっと出たね。ちょっと長すぎたかな。これからどんどん打っていきたい。今日の打席は全体を見ても質の高い打撃をできた。フルカウントまで球を見ることができたし、良くなってきているよ。

 新助っ人が胸をなで下ろすのも無理はない。開幕から不振に陥り、この快打が32打席目での来日初タイムリー&初打点だ。3回に遊撃石川の悪送球の間に先制点を刻んだが、その後は追加点を奪えない状況だった。停滞ムードを拭い去ったT砲の働きを、野村監督も高く評価した。

 野村監督

 打つのもさることながら守備でも良かった。あそこでの1点は大きい。2死からの得点は大きいね。あのへんの勝負強さをこれからも期待したい。

 春季キャンプ中の実戦でシュアな打撃を披露し、周囲から「日本向き」と評価された。メジャー79本塁打の力量も見込んで、開幕から4番に座る。栗原が5番に入ることで、2人での得点力アップが狙いだ。前日19日には4回に広瀬、トレーシーが連打して、栗原が逆転適時打を放っている。左右打者が交互に並ぶジグザグのラインアップで得点を重ねるリズムが、連勝中に少しずつ出来つつある。

 トレーシー

 繰り返し打席に立って生きた球を見られるのは大きい。僕は日本のリーグに初めてやってきた。慣れてきたのかな。

 12日からの開幕阪神3連戦(甲子園)は10打数無安打で7三振。苦悩する姿は消えた。19日横浜戦で2安打。この日は守備でも7回に森本のライナーを好捕するなど体にキレも出てきた。チームも引き分けを挟んで5連勝。貯金3は05年4月以来6年ぶりだ。

 野村監督

 打線が打てるときも打てないときも、投手陣が頑張って試合を作ってくれている。

 先発篠田の完封もあり、カープは朗報ラッシュだ。スキを見せない広島が首位を守った。【酒井俊作】