<阪神4-5巨人>◇20日◇甲子園

 あんたが打たなきゃ始まりまへん。ヒットメーカー阪神マット・マートン外野手(29)がお待たせの今季初猛打賞だ。3本の安打で巨投にプレッシャーをかけた。フォームチェックに早出特打を重ねて必死の復調。それでも214安打助っ人にして開幕8戦で7安打は、まだまだ足りまへんで~。

 負けてしまっては…。マートンは終始、浮かない表情だった。214安打男からすれば、開幕8戦目での初猛打賞は遅い。惜敗を振り返る語り口は、快音とは真逆で静かだった。

 マートン

 負けたことが一番残念。僕が3打席目(同点の4回2死二塁に空振り三振)に打っていればね。9回の最後まで、勝つ可能性があるゲームはできたんだけどね…。

 明るい光は確かに差し込んだ。初回に10打席ぶり安打となる左前打をトーレスから放った。同点の7回無死一塁では内海に左前打を浴びせ、一時は勝ち越しとなる3点目につなげた。2点を追う9回1死ではロメロから中前打を放ち、1点差に迫るホームも踏んだ。トンネルの出口は見えつつある。

 マートン

 去年のオールスター前後はもっとひどかった。今はフォームは問題ない。でも、オーバースイングをなくさないといけない。

 前日19日は5打数無安打。試合後、和田打撃コーチとDVDでフォームをチェックした。大振りはしない、と心に決めた。この日も1人早出特打を室内で敢行。「自分でボールを置くティー打撃をしている。ネットに打ち込むと感覚が分からないから、打撃ケージに入ってね」。日課を終え、全体練習に向かうころにはもう笑顔だった。

 左足を大きく上げ、ミートポイントからトップの位置を遠ざける。パワー重視の新フォームを取り入れた結果、試合前の時点で打率1割2分9厘。開幕戦で先頭打者弾、2戦目で決勝打を放ったとはいえ、昨季からは信じられない大振りが目立っていたのも事実。コンパクトなスイングを心掛け初猛打賞を記録した。

 18日には長女メイシーちゃん(1歳)が風邪をこじらせ神戸市内の病院へ。悩める日々が続いたが、愛娘の体調とともに打棒も復調しつつある。「良いスイングができた。打つポイントも良くなった」。つかんだ手ごたえは結果で示す。【佐井陽介】