<ソフトバンク5-3ロッテ>◇24日◇熊本

 ソフトバンク小久保裕紀内野手(39)が、まずは節目の350二塁打を放った。1回裏に同点に追いついた直後、逆転の適時打で飾った。「点を取られた後だったので、何とかここで打とうと思っていた。(350二塁打は)アナウンスを聞くまで知りませんでした。よく積み重ねてきましたね」。プロ野球31人目の記録に、笑顔を浮かべた。

 もう何の心配もいらない。12日の開幕オリックス戦(京セラドーム大阪)で死球を受けた際に右手親指をはく離骨折。翌13日に抹消された。当初は戦列復帰まで1カ月の見込みも、驚異的な回復力で最短の前日23日にキャプテンは帰ってきた。そして復帰戦でいきなりサヨナラ打と「もっている」ところを見せつけた。まだ患部への不安は残るが、4回の第2打席でも左前打で今季初のマルチ安打を記録し、2000本安打へ残り127本と加速してきた。

 「状態は悪くない。大きいのを狙った時が、まだあれやけど」

 あと1本の通算400号は、この「九州新幹線シリーズ」では惜しくも出なかった。だが、それも時間の問題の予兆を漂わせた。

 ここまで出場した3試合では、黒星がない。就寝前には、必ず良いことを3つ思い出すことを日課としている。主将のプラス思考が、チームを勝利に導いているのは言うまでもない。得点圏に走者を背負う度、先発初勝利を目指す摂津に声をかけ勇気づけた。守護神の登録抹消という緊急事態でも、チーム一丸となって4連勝を決めた。

 「馬原が帰ってくるまで、みんなで頑張らんとあかん。次(26日)は札幌、ダルビッシュやな。楽しみ」

 09年に対戦打率4割2分9厘、昨季も3割1分6厘と好相性を誇る右腕も打ち砕き、チームを首位ぶっちぎりモードに突入させる。【倉成孝史】