<阪神1-3横浜>◇24日◇甲子園

 思わぬところから喝!

 プロ初失点を喫したドラフト1位ルーキーをとがめたのは、監督でもコーチでもない。阪神榎田大樹投手(24)に飛んだゲキの主は、スタンドにいる母きよ子さん(48)だった。

 きよ子さん

 腹が立つ!

 1点で終わって良かった。力みすぎていたし。

 プロ4戦目は、特別なマウンドだった。父晃さん(51)と、きよ子さんが鹿児島から初めて甲子園に観戦に訪れていた。残念ながら、両親に見せたのは勇姿ではなく、プロの洗礼を浴びるシーン。2点ビハインドの8回2死一、三塁。横浜森本に中前に運ばれた。悔しいプロ初失点に、母の“やじ”も耳に届いたか。榎田は反省の弁ばかりだった。

 榎田

 ストライクをそろえすぎた。リズム良く、ポンポン行きすぎた。失点はするもの。でも、してはいけない展開で取られてしまった。

 榎田が投手に転向したのは中学生から。以来、毎試合のように観戦していたきよ子さんにはポリシーがあった。「言えるのは親だけ。守っている野手に申し訳ない」。ふがいない投球を見せたときには、周りの目も気にせず声を荒らげてきた。母の“愛情”は、プロでも変わらなかった。

 前日23日には、次男宏樹さんを含め、家族4人で久々のだんらんを楽しんだ。食事中、榎田は「1軍に残り続けて、活躍することが今の目標」と誓った。

 晃さん

 1軍にいてくれれば、また見に来られる。今日は、投げてるところが見られて良かった。

 家族から闘魂を注入されたルーキー。再び「0」をスコアボードに並べ、今度は母を笑わせてみせる。【鎌田真一郎】