<広島6-4阪神>◇26日◇マツダスタジアム
やっぱりマエケンは、持っている。広島前田健太投手(23)が阪神戦で今季2勝目を手にした。7回3失点で、1点ビハインドの7回裏に代打を送られたが、広瀬の勝ち越し3ランで白星が転がり込んだ。チームの連敗も2でストップ。本調子ではないが、幸運な勝利を復調へのキッカケにする。
一塁側ベンチから右手を天に突き上げた。7回、代打を送られた前田健は最前列で打席に向かう野手を応援。同点に追いついた直後だ。1死一、三塁で広瀬の打球が左中間にスタンドイン。勝ち越し3ランを見届けると、浮かない表情だった前田健が満面の笑みだ。
前田健
逆転してもらったあと、逆転されてしまった。ベンチで気持ちよくなかった。180度、気持ちが変わった。(広瀬)純さんの本塁打で最高になりました!
今季初の本拠地先発は課題の残るマウンドだった。1点勝ち越した直後の5回1死二塁で新井貴と対戦。外角高め速球を強振されると左中間席まで運ばれてしまった。悪夢の逆転2ランを喫し、消化不良のまま7回3失点で降板した。球威、そして制球で納得のいく内容ではない。幸運な今季2勝目を挙げても、試合後は反省の弁を並べた。
前田健
(新井貴への被弾は)力がなかったと思います。コントロールを気にしすぎて、その分、力がなかった。あの高さで本塁打を打たれて…。修正点はいっぱいありますね。
開幕から3戦目の先発でまだ本調子ではないが、準備にはベストを尽くす。2月の日南キャンプ。天福球場のブルペンでは投球中、何度となくボール交換する光景が見られた。ほとんどの投手が1球で投げきるなか、おろしたての新球にこだわった。「試合では汚れた球を投げることは絶対ない。ボロボロの球は結構投げやすいですが試合ではどんどんキレイな球が出てくる。ブルペンでも試合の環境を想定することが大事」。今季から統一球になった。フォークの試投で何度もワンバウンドしたのも一因だが、指先の繊細な感覚に細心の注意を払ってきた。
この日、要所を締める投球も光った。4、6回には得点圏に走者を置き、マートンを外角スライダーで遊ゴロに料理。粘り抜いて白星をつかんだ。
野村監督が「相手も研究してくる。今日に関しては、あそこまで投げて責任を果たしてくれた」とねぎらえば、前田健も「勝ちがつくのは投手として大きい。勝たせてもらって気持ちも楽になるし、状態も上がると思う」と振り返る。お立ち台ではファンの笑いも誘った。「今日は1つ報告があります。ブログのタイトルが変わります!」。エースの奮闘で連敗も2でストップ。明るいハッピーエンドから、再び上昇ムードへと転じる。【酒井俊作】



