<日本ハム0-5ソフトバンク>◇27日◇札幌ドーム

 日本ハムが一夜にして首位から陥落した。“鷹キラー”武田勝投手(32)が中5日で先発したが、2本塁打を浴びるなど5回6安打5失点で降板。09年10月から6連勝中だったお得意さん相手に、今季初黒星を喫した。チーム打率リーグ1位の好調な打線もホールトンの前に5安打と沈黙、今季初の完封負けとなった。

 淡々と、かつ丁寧に低めを突く。そんな投球スタイルが、昨季チームトップの14勝を挙げた武田勝の真骨頂だ。3回まではソフトバンク打線を1安打。二塁を踏ませない投球を続けていたエース左腕の歯車が4回、突然、大きく狂った。

 最大の武器であるはずの制球が定まらない。2死走者なしからカブレラに先制ソロを許すと、さらに失策の走者を一塁に置いて、打者は多村。真ん中に入った直球を左翼席中段へ運ばれ、この回だけで3点を許した。「本塁打で流れが止まった。相手打者を勢いづかせてしまった。自分でリズムを崩してしまった」。冷静な左腕が、珍しく自分を見失いつつあった。

 5回も1死から内川の適時打を含む3連打で、あっさり2点を失い降板。昨季6試合でわずか6点しか献上していない相手に、5点を奪われてしまった。「すべては4、5回。打たれたのは不用意な球で、打たれるべくして打たれた。ボール球をしっかり使いながら投げないと」。いつものポーカーフェースは変わらなくても、あふれる反省の弁に悔しさがにじんでいた。

 鷹料理はお手の物…のはずだった。ソフトバンク相手に昨季は6試合に先発して負けなしの5勝。09年10月4日から続いていた連勝だったが、ついに6でストップした。今季3戦目で喫した初黒星が、まさかのソフトバンク。中5日と登板日を縮めてまで得意の鷹戦にぶつけた梨田監督だったが、思惑は外れた。

 ただ、ただでは転ばない。今回は内川、カブレラと2人の新戦力の前に辛酸をなめた。「そこが(この試合の)キーポイントだった。1年を通して戦う相手なので、抑えられるように頑張ります」。戦いは始まったばかりで、すでに頭の中は次戦へ。チームきっての技巧派は、失敗を成長の糧とする術を知っている。【中島宙恵】