<巨人0-4広島>◇12日◇東京ドーム

 「もよおしてきた」巨人の勢いが連敗でしぼんだ。先発の沢村拓一投手(23)は2回に制球を乱して4安打2四死球で3失点するなど、7回4失点で9敗目を喫した。開幕からローテーションを守っているが、7月9日に5勝目を挙げた後は登板4試合連続で勝ち星なし。勝負どころで新人右腕が苦しんでいる。

 何かを変えたいという気持ちの表れだった。試合後のロッカールームから出てきた巨人沢村は、丸刈りだった。表情は堂々としていて、「自分でやりました。(先発)ローテーションで回してもらってて、結果が出てないので、僕には責任がありますから。次の登板から結果を残していけるように、気合を入れました」。断固たる決意からの行動だった。

 7回4失点で9敗目。自身3連敗を喫した。不安定な立ち上がりが、この日も直らなかった。2回、2本の適時打と、押し出し死球で3点を献上。「立ち上がりです。あそこ(2回)は点を取られても最少失点で抑えなければいけなかったです」と反省した。プロ最短の1回2/3でKOとなった5日の広島戦でも、1回に2失点、2回には連続押し出し四球などで2失点。同じ過ちだった。

 そんなふがいない自分にけじめをつけるためにも、自ら頭を刈った。6日には主将の阿部も丸刈りにした。翌7日に10号ソロを放ち、11年連続本塁打を達成。今季初の5連勝の原動力となった。昨年は13勝を挙げた東野も9月に自ら頭を丸めた。今季は開幕投手を任されるまでに成長。丸刈りは吉兆でもある。

 チームは8月に入って7連勝をマークするなど、波に乗り始めている。2連敗となったが、首位ヤクルトとは5・5ゲーム差のまま。逆転優勝のためには、沢村の力は不可欠だ。原監督も「内容として決して悪くはないけど、勝つということに関してね、もう1つ、2つ越えなければいけないところはあるというか、そろそろ学習してしっかり結果を出すような形にしないといけませんね」と、ルーキーに厳しく、そして奮起を促した。勝たなくてはいけないという責任。それを自覚した沢村は、変貌を遂げるに違いない。【斎藤庸裕】