<オリックス3-2日本ハム>◇3日◇京セラドーム大阪

 オリックスの勢いが止まらない。3試合連続1点差勝ちで今季3度目の6連勝。寺原隼人投手(27)が今季5度目の完投勝利を今季初の無四球で飾り、11勝目を挙げた。

 初回は舌打ちの連続だった。リーグ首位打者の糸井を3球三振に仕留めながら、3安打で1死満塁。稲葉の適時打、小谷野の犠飛で簡単に2点を失った。「立ち上がりに点を取られる試合が続いていたので、なんとかゼロに抑えたいと思って力んでしまった」。寺原は、4試合連続の初回失点にくちびるをかんだ。

 その反省を2回以降に生かした。「捕ったらすぐ投げるようにしました」。捕手の伊藤から返された球をすぐ投げるように投球テンポを速め、これが功を奏した。「投球フォームが安定し、その結果球が低めに集まるようになった」。先頭の陽岱鋼に右前打を許した3回も、陽の二盗を伊藤が阻止。「寺原さんは絶対に勝たせないといけない投手」と懸命にアシストした。これで、8月20日の同戦(札幌ドーム)で投げ負けた斎藤にも借りを返した。

 次も勝てば横浜時代の07年に記録した自己最多12勝に並ぶ。「12勝は通過点。クライマックスを目標に頑張っているんだから、1戦1戦大事に勝っていきたい」。チーム最多勝右腕は頼もしかった。【堀まどか】