<日本ハム4-0ロッテ>◇13日◇東京ドーム
日本ハム稲葉篤紀外野手(39)が、2打席連続本塁打でチームの危機を救った。3回に右中間へ先制の10号ソロを放つと、5回にも右中間へ11号ソロ。今季3戦3敗の天敵、ロッテ成瀬攻略の起爆剤となった。今季東京ドームでは5試合で5本と本塁打を量産し、12年連続となる2ケタ本塁打にも到達。投打がかみ合ったチームは連敗を2で止め、7ゲーム差の首位ソフトバンクを猛追していく。
好相性そのままに、稲葉のバットが火を噴いた。12年連続2ケタ本塁打となる節目の10号を含む、2打席連続アーチ。今季東京ドームでは5戦5発、17打数9安打と快音が止まらない。「何でだろうね。広くない球場なので、謙虚にいっているのがいいのかな」。不思議な巡り合わせに、笑顔で首を傾げた。
たった一振りで、流れを大きく変えた。今季3戦3敗と苦手にしているロッテ成瀬に、打線も2回まで無安打。「いい投手なので、何とか先制できたらと…。みんなでつないでいければと思った」。チャンスメークを狙い、向かった最初の打席。2ボール2ストライクと追い込まれながら、120キロのスライダーにバットを合わせると、角度のついた打球は一直線に右中間スタンドへ伸びた。「いい本塁打だった」。自画自賛の先制アーチは、稲葉自身にとっても、成瀬から放った今季初安打だった。
2点リードの5回にも、今度は直球を同じ右中間へ運んだ。キャプテンの奮闘にチームメートも奮起。6回の二岡の左前適時打など、小刻みに得点を加えて試合の主導権を握った。
17年目、39歳。「僕はホームランバッターじゃない」と話すが、コンディションを維持し、12年も続けて2ケタ本塁打を積み上げてきた。大事にするのはオンとオフの切り替え。休みがあれば、札幌から少し足を伸ばして、四季が移り変わる北海道の景色を眺めながらドライブする。そして、自室でのお気に入りが「8時だよ全員集合」の鑑賞だ。放送当時、野球少年だった稲葉は、翌日のつらい練習の直前にある、土曜夜のひとときを楽しみしていたという。今でも当時を思い出してリラックスし、あのときと同じように、次の日の試合へと再び闘争心を高めていく。
9連戦の初戦を快勝し、連敗を2で止めた。梨田監督は「明日からが大事。集中していきたい」と手綱を締めた。稲葉は言った。「今日は僕が打ったけど、これからは日替わりヒーローが大事になる。明日は中田翔あたりがやってくれるでしょう」。8月末の西武戦。中田と鵜久森が小競り合いになったことを、本気で怒り、収めたのがキャプテンの稲葉だった。言葉で、背中で、チームを引っ張るベテランに、若手選手も負けてはいられない。稲葉が架けた2本のアーチに沸いた夜。逆転Vへ、きっかけの夜にする。【本間翼】



