<広島5-1阪神>◇17日◇マツダスタジアム

 阪神南信男球団社長(56)が17日に広島市内のホテルで、真弓明信監督(58)とトップ会談を行った。この日の広島戦に完敗し、自力優勝の可能性は復活しなかった。厳しい戦いが続く中で、来季の続投を前提に、4年目を迎える真弓体制の見直しに着手した模様だ。投打の問題点をチェックし、コーチ陣の入れ替えも視野に強固なチーム作りに取りかかる。

 自力優勝の可能性が消滅し、真弓阪神は厳しい戦いが続いている。同時に、来季に向けたチーム作りも進めなければならない。17日夜に南球団社長は真弓監督とトップ会談を持った。昨年オフに2年契約を結んでいるため、来季の続投は既定路線。それを前提に、現体制の見直しが始まった。話し合いは深夜にまで及んだ模様だ。

 今季はシーズン序盤に最大「11」もあった借金を完済し、一気に首位を狙った。しかし大型連勝できず、波に乗れない状況から抜け出せていない。球団フロントとしては、チーム全体で反省点を検証する作業を進めている。今回の会談で現場トップと意見交換することで、課題の克服に着手した。

 大きな課題のひとつになっているのが、コーチ陣の見直しだ。2位に終わった昨年は、真弓監督が望んだため、球団側も同じスタッフで戦うことを了承した。10年に片岡打撃コーチが加わったが、就任3年間で「内閣改造」の大きな動きは見られなかった。球団首脳は「今年も優勝できなかった場合、何かを変えていくことも必要だ」と言う。このまま優勝を逃した際には、現状をしっかりと分析して、コーチ陣の入れ替えも行っていく方針だ。

 球団と真弓監督はすでに来季の編成面の話し合いを進行させている。1日に遠征先の名古屋で編成会議を開き、整理選手やドラフトなど補強ポイントについて意見を交換した。今後も慎重に議論を重ね、チーム全体の枠組みを仕上げていくことになる。

 この日は初回に先発久保が炎上し、広島に完敗した。自力優勝の可能性を復活させられず、首位ヤクルトと最大タイの9・5ゲーム差となった。優勝という目標が遠のきつつある。指揮官はそのことを振られると、「目標は一緒だ」と自らを鼓舞するように言った。逆転優勝の可能性はゼロではない。さらにクライマックスシリーズ出場をかけた戦いもある。2年契約の2年目、通算4年目となる来季も見据えながら、真弓監督はまだ戦う姿勢を失っていない。