<広島3-6阪神>◇18日◇マツダスタジアム

 大逆転CS進出への先導役は4番だ。広島は阪神に競り負け、自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出が厳しい状況に追い込まれた。主砲の栗原健太内野手(29)は3安打をマークしたが4回無死一、三塁の好機で凡退するなど勝利に導けず悔しい表情。それでも、今季初めて打率3割台に乗せるなど、好調をキープ。打点王だけでなく、首位打者も射程圏内に入り「2冠」が発奮材料になりそうだ。

 主砲が顔をしかめた。2点を追う4回。無死一、三塁の絶好機で打席へ。1点でもかえしておきたい場面だが、阪神先発メッセンジャーの速球を打ちあぐね、最後は外角スライダーで力ない一飛に打ち取られた。「1つでも多くかえせるよう、やっていきたい」。打点を挙げていれば打点リーグ1位のヤクルト畠山にその時点で並んだが、それもかなわず。何よりもチームが敗れ、険しい表情は崩れなかった。

 8月の月間MVPに輝いた打撃は9月も変わらず好調だ。この日は右方向に3安打。特に6回には1死一塁で二塁打をマークし、広瀬の適時打を導いた。2試合連続の猛打賞で打率は「・3004」を刻み、今季初めて3割台に乗せた。この話題を振られても、顔色を変えず「乗りました?

 まだまだ試合はありますから」と話すにとどめた。敗戦を一身に背負い、悔しい思いが何よりも上回った。

 3点を追う8回無死満塁では石井の浅い左飛で三塁走者としてタッチアップ。しかし、憤死して、相手に2死を献上する最悪の結果を招いた。「自分のなかで勝負をかけたんですけどね…。紙一重ですが、アウトになって2死になった。流れが向こうに行ってしまいました」と振り返った。

 チームは一進一退し、CS圏内の3位への再接近も困難な状況だ。栗原の打撃が浮沈のカギを握るのは間違いない。打点王争いだけでなく、3割台に突入し、首位打者への“挑戦権”も手にした。1位の巨人長野(3割1分1厘)に接近。町田打撃コーチが「個々がしっかり力を出せば得点も入るし、チームも勝てる」と話せば、浅井打撃コーチも「打者として3割は基準だけど、今年は3割バッターが少ない。(打率は)上下動するけど上がってきた3割だし価値がある」と語る。5月上旬の時点で打率2割2分7厘だったが、地道に調子を高めてきた。3割ラインはおのずと強打者のモチベーションになる。

 栗原も「内容はいいと思います」と手応えを口にする。08年には打率3割3分2厘でリーグ3位に立った実力者だ。球団史上初となる首位打者+打点王の「2冠」も十分視界に入る。4番打者がタイトルに近づけば、チームの上位浮上に直結する。【酒井俊作】