<広島12-4阪神>◇19日◇マツダスタジアム

 鮮やかなバースデー白星じゃ!!

 広島野村謙二郎監督が、自らの45歳の誕生日を祝う勝利を挙げた。1回に4点を先制されたが反撃に出て、3回に5得点。逆転に成功すると、2番手今村猛投手(20)を投入した。3回無失点の好投で勝利の立役者になった。勢いをつけて、Aクラス入りをうかがう。

 荒れ模様の展開で、野村監督は覚悟を固めていた。3回に押し出し四球などで同点に追いついた直後だ。なおも2死満塁の勝ち越し機。不安定だった福井優也投手(23)に、迷わずバーデンを代打で起用。采配は的中し、左前に2点タイムリー。流れをたぐり寄せると、4回から今村に託した。あとは勝利にまっしぐらだった。

 野村監督

 2点負けていても(2番手は)今村で行くと決めていた。バーデンがチャンスで1本打ってくれたのが大きかった。今村も3イニングをしっかり投げた。試合の流れを変えてくれる投球でしたね。

 今村の力投が白星を運んだ。3点リードに転じた4回からマウンドへ。2死二塁。新井を低め直球で見逃し三振に抑えると一気に乗った。5、6回を3者凡退に抑える完璧な内容で試合を引き締めた。9日巨人戦(東京ドーム)から登板3試合連続で失点。球威は落ち、痛打を繰り返し「迷路に入り込んでしまった感じです」と漏らした。不調だったが、信頼して起用する。セットアッパーとして必勝リレーに組み込んできた指揮官の信念が光った。

 野村監督

 (誕生日に)負けるより勝つほうがいいよ。最初、4点を取られて吹っ飛んだけど、途中からそういう声も(ベンチで)出始めていた。いいプレゼントになりましたね。

 うれしい1日になった。練習開始前、一塁側ロッカー室内で選手、スタッフらが輪になり「おめでとうございます!」と声が響く。若手が活躍して今季最多の21安打、12得点。全員で記念日を飾った。

 野村監督にとって今村は思い出深い存在だ。監督就任直後の09年10月29日。ドラフト会議当日、ソフトバンク秋山監督が不敵な笑みを浮かべて「今日は楽しみだな!」と話し掛けてきた。今村獲得を競合する相手だった。指名が始まり、ソフトバンクの順番。「イマ…」と途切れたあと「ミヤ…」とアナウンス。今宮を選び、今村の広島単独指名が決まる。「2分の1のくじか。外すわけにいかないと思っていた。司会の人をにらんだからね」と振り返る。

 縁のある若手に支えられて、昨季に続いて2年連続バースデー勝利。野村監督は言う。「若い選手は自信にしてほしいし、その回数を増やしてほしい」。Aクラスは依然遠いが、野村カープの目は死んでいない。【酒井俊作】