総動員ローテは新人王ローテだ。残り26試合、広島野村謙二郎監督(45)が先発陣を総動員する考えを明かした。21日のヤクルト戦(神宮)は台風接近のため中止。指揮官はこれまで中4日の経験がないドラフト1位福井優也投手(23)も、例外なく起用する可能性を示した。新人王を狙う福井にとっても登板機会増は大歓迎。チームも福井も、フル稼働でラストスパートだ。

 野村監督の覚悟を感じさせた。チームは神奈川・横須賀市内にある横浜の室内練習場で調整。暴風雨が天井をたたく中、練習を見守った。2日連続の試合中止で、この9連戦のローテは楽になった。だが、勝負のかかった残り26試合で、先発陣をフル稼働させる心づもりを明かした。

 野村監督

 先発陣は春先に大竹らケガ人が出て苦しい中、不規則なローテーションで回ってもらった。その頑張りがあるから今この位置にいられる。中5日が理想で、中4日はしんどいとは思う。でも(10月には)また9連戦もあるし、中4日というのもありうる。そのときは若い投手に頑張って投げてもらわないと。

 「若い投手」とは、ともに23歳の前田健、福井の先発2人を指す。現在、バリントン、ジオの助っ人2人は中4日ローテを基本としているが、前田健は今季2度の中4日があるものの、いずれも勝ち投手にはなれず、新人福井はまだ1度も経験していない。

 大野投手チーフコーチは「あまりやって調子がおかしくなっても困る」と言いつつ「この先、先発陣は中4日で行ってもらうこともある」と、2人も本格的にフル稼働させる可能性を示唆した。

 「新人王はとれるものならとりたい」。そう話している福井にとっても中4日は朗報だ。ライバルの巨人沢村は防御率で福井を大きく上回り、勝ち星でも一つ先行されている。後れを取っているのが実情だ。

 ライバルに競り勝つためには、勝ち星を増やすことだ。福井は新人王争いの勝ち星のボーダーラインを「2ケタは必要だと思う」と10勝を必須の目標としている。現在7勝だが、この先中5日だと残り登板機会は4~5回。もし中4日で回れれば、1試合程度投げるチャンスが増える計算だ。

 勝ち星を積み重ねるためには、登板機会は多いほどいい。チームが最後の勝負をかける総動員ローテで、福井は新人王にラストスパートをかける。【高垣誠】