<中日4-3ヤクルト>◇12日◇ナゴヤドーム

 敵地に響く大歓声を背に、ヤクルト小川淳司監督(54)が三塁側ベンチ裏に現れた。9回に3点を挙げたが1点届かず、中日に優勝マジック4が点灯。「今日は負けたことがすべて。何もないです。(林昌勇の危険球は)そういうことも起こりえる。負けたことがすべてなので、もうコメントはないです。すいません」と、わずか10秒余りで会見を打ち切った。前日までの137試合、何があっても最後まで誠実に答えてきた指揮官が、初めて自ら背中を向けた。

 それほど痛い1敗だった。1点勝負と判断し、0-1の8回からクローザー林昌勇投手(35)を投入。2死後、ブランコへの2球目がヘルメットをかすった。危険球退場になると、緊急リリーフした松岡健一投手(29)が和田に3ランを浴びた。9回に打撃陣が反撃しただけに、悔やみ切れない3失点になった。

 中日に連敗して迎えた3戦目。2試合1得点の貧打打開のため、今季初めて青木を3番に据えた。1番福地、2番森岡と1~3番まですべて初のオーダーを組んで勝負に出た。だが3回2死一、二塁の先制のチャンスで青木が二塁ゴロに倒れる。「あそこで打っておけば、流れが変わった」と責任を背負い込んだ。

 勝負を懸けたナゴヤドームでの3試合で長打は0。今季2勝7敗1分けと、鬼門の球場になってしまった。絶対的な戦力はない中、ここまで一致団結して粘り勝ってきたが、残り6試合で中日と3・5ゲーム差になった。青木は「今大事なことはあきらめないこと。まだ、あきらめられない」と自分に言い聞かせるように言った。【前田祐輔】