<横浜1-3ヤクルト>◇15日◇横浜
これ以上、負け続けるわけにはいかない。ヤクルト宮本慎也内野手(40)が意地を見せた。8回だった。明らかにおかしい走り方で全力疾走を繰り返す。二塁打に三塁タッチアップ。激走をダメ押しの1点につなげると、拍手をしながらホームを踏んだ。連敗を5で止め、CS出場を確定させた。「大事なところで連敗して、大きなことは言えませんけど、ズルズルいくわけにはいきませんから」と気持ちを奮い立たせた。
テーピンググルグル巻きの両太ももは肉離れ寸前の状態だ。名古屋から移動ゲームとなった前夜は、予定より早く、いったん帰宅し、治療を受けてから球場入りした。そうしなければ戦えないほどギリギリの状態。「順位が確定するまでは、一生懸命やりたいと思う」。この日も全力疾走すればブチッといってしまう危険もある中で、懸命にダイヤモンドを駆けた。
宮本はこの数試合、本塁打を打つつもりぐらいの強いスイングを心がけているという。それは、そろって調子が落ちているヤクルト打線の中では際だって鋭い。ナインのだれもが宮本のケガについて知ってる中で、そういうプレーを続けることで、何かを感じ取ってもらえればという思いがある。「もう口で言うことは言い尽くしましたから」。後は背中で引っ張るつもりでバットを振っている。
この日は昨年4月20日の中日戦(ナゴヤ)以来となる5番に入った。1回の先制のチャンスには「ここで打たなきゃ5番じゃない」と思って気持ちを集中させて右前適時打を打った。8戦ぶりの先制点に小川監督からも「チャンスで打線がつながらない状況が続いていた。何かを変えなきゃと思って5番に起用した。非常に大きな1点だった」と拍手を送られた。40歳。肺炎にボロボロの両足。そんな男がヤクルトを支えている。【竹内智信】



