巨人アレックス・ラミレス外野手(37)が、今季限りで退団し、球団は代役の新外国人候補としてブライアン・ラヘア内野手(28=カブス)の獲得を目指していることが1日、分かった。ラミレスは2年契約の終了にともない、契約延長の可能性もあったが、国内他球団でプレーすることを選択したもよう。前日にクライマックスシリーズ(CS)敗退した球団は、抜本的なチーム強化を検討。主砲を任せられる外国人野手の獲得が必要だ。楽天など複数球団との獲得合戦になるのは必至の状況だが、獲得に全力を尽くす。

 「アイーン!」などのパフォーマンスも人気を呼び、明るいキャラクターで老若男女に親しまれたラミちゃんが、ついに巨人のユニホームを脱ぐ。関係者によると、球団との話し合いを経て、ラミレスは、巨人とは違う国内球団でのプレーを決断したという。

 史上最強助っ人も、今季導入された統一球への対応に苦しんだ。シーズン序盤から昨年2冠王の面影は消え「今季は30本塁打を放つ選手は3人くらいしかいないよ。僕はその1人になりたいけど」と苦笑いするほどだった。球団史上最多の連続4番出場は、7月14日の阪神戦で長野に譲り、「469試合」でストップした。5月には外国人初の4番1000試合という金字塔を打ち立てたが、ラミレスの低迷がチームの低迷に直結したことも事実だ。

 打撃ばかりではない。統一球の導入で、接戦が多くなり、狭い守備範囲と弱肩がピンチを広げるシーンが目立った。今季の推定年俸は5億円。契約延長の場合は大幅ダウンは避けられない。条件面でも折り合いが付かなかったとしても不思議ではない。

 大黒柱だったラミちゃんの代役候補の筆頭が、ラへちゃん…ラヘアだ。今季3Aで38本塁打&109打点の2冠王。左打ちなのは異なるが、変化球への対応力が高く、広角に打ち分ける器用さも兼ね備えているのはラミレスと一緒。しかも、一塁、左翼と守備も無難にこなす。清武GMは、CS敗退が決まった前日10月31日、外国人も含めての抜本的な強化が必要と訴えた。外国人選手にも若さと体の強さを求めることになる。

 すでに楽天もリストアップしていることが明らかになっており、争奪戦は避けられない。さらに他球団も獲得を検討しているとの情報もある。ただし、今オフの移籍市場ではトップレベルの野手ということは事実。今季は三塁レギュラーを期待してライアルを獲得したが、鳴かず飛ばずでシーズン途中に解雇となった。外国人野手の補強は、もはや失敗は許されないし、抜本的な強化には、絶対的な力量を誇る主砲が欠かせない。野手のターゲット1番手としてラヘ砲が浮上した。

 ◆ブライアン・ラヘア

 1982年11月5日、米マサチューセッツ州出身。02年ドラフト39巡目でマリナーズ入団。06年にマ軍傘下の最優秀マイナーに選出され、08年7月に初昇格し、レッドソックス松坂から初安打を放った。09年からカブス傘下でプレーし今年9月、3年ぶりにメジャー昇格を果たした。メジャー通算は65試合で打率2割6分2厘、5本塁打、16打点。今季38本塁打はマイナー全選手中トップで「ジョー・ボウマン本塁打賞」を獲得。またベースボール・アメリカ誌による「ベスト指名打者」に選ばれた。196センチ、108キロ。本職は一塁手。右投げ左打ち。