広島野村謙二郎監督(45)が若手に“一人二役指令”だ。本来のポジション以外に守備位置を持てば出場機会を増やせる。ベンチは作戦面での選択肢が増す。早速1日から実行された。

 3日からの秋季キャンプに向けて秋季練習が始まった。外野に選手を集めてミーティングした野村監督から、来季5年目の内野手安部は「外野を守れ」と言われた。驚いたがチャンスでもある。キャンプでは守備力向上をテーマにしていただけに、同僚から外野用グラブを借りて、右翼の守りについた。

 「動きは問題ないです。やるからには信頼されるレベルにしたい。キャンプでは志願して特守を受けたい」と目を輝かせた。外野や一塁が多い松山は、指揮官の手ほどきを受け三塁守備に挑戦。捕手会沢は左翼の守備に汗を流した。野村監督は「戦力の底上げもできる。経験してマイナスにはならないし、自分たちの生きる道もできますから」とハッパをかけた。