来季の残留が決まった守護神から早くもV宣言が飛び出した。国内FAを封印した阪神藤川球児投手(31)が15日、テレビ解説で日本シリーズ第3戦をネット裏から観戦。「よーいドンでいって、最後に優勝する。絶対できると思う」。真弓前監督への恩返しの気持ちを抱き、和田新監督で迎える来季にかける思いを激白した。

 国内FAを封印した阪神藤川が来季にかける思いを激白した。日本一を争う舞台に触発されたのか、早くも来季のV宣言が飛び出した。

 「よーいドンでいって、最後に優勝する。絶対できると思う」

 6年連続でリーグ優勝を逃し、05年を最後に日本シリーズから遠ざかっている。昨年まで他球団が奮闘する試合をテレビでチェックすることはなかった。「見ないね。今年のことは今年で終わり。自分を磨く期間だから」。しかし実際に目の当たりにすると、体に力が入った。

 自身は今季セーブ王のタイトルを獲得したが、チームは低迷。Bクラス転落という屈辱を味わった。監督の交代劇にも直面。守護神として、思うところはあった。

 「真弓監督がやられたことが来年に生きるようにしないといけない。まいた種があるんだし、それを今、安芸で監督やコーチが必死に育てようとしている。真弓監督の3年間を大事にしないと。僕で言えば、大事に使ってもらった。恩を返すしかない」

 和田監督からはチームリーダーの指名を受けている。残留が決まった翌日には指揮官自身が「よし頑張ろうと思います」と気合を入れ直した。そんな大きな期待を背負う自覚は球児にもある。首脳陣とも話し合いの場を持ちながら、来季に向けて準備する予定だ。

 「僕と鳥谷は30歳を過ぎて、一番いい時期に入る。強い姿勢を打ち出せるようにしたい。万全でスタートしないと。スロー発進にならないように。勝てると思う、絶対に」

 開幕から力を出し惜しむ気はない。来年こそ日本一の胴上げ投手になる-。来季のタテジマ残留を決意し、藤川の目標はただひとつだ。【田口真一郎】