<日本シリーズ:ソフトバンク1-2中日>◇第6戦◇19日◇福岡ヤフードーム
ソフトバンク小久保裕紀内野手(40)は敗戦後、笑顔を浮かべながら帰路についた。次戦が引き分けにならない限り、今日、中日と決着がつく。
小久保
こうなるようになってたんや。2011年は。開き直りっちゅーか、明日で終わりやからな。思い残すことなくやる。
この日も体を張った。1回の守備だ。2死一、二塁。先発和田が中日和田に投じた1球目は一塁側へのファウル。観客席へフラフラと上がった飛球を捕球しようと、40歳のベテランは猛ダッシュ。客席に飛び込んだ。必死に伸ばしたミットは届かず、ファウルになったが、気迫あふれるプレーに場内は拍手で包まれた。勝利につながらなかったが、目の前の一瞬に集中する主将の姿勢は、ホークスナインの心に刻まれた。
チーム内に、背番号9が首痛に苦しんだことを知らない者はいない。捨て身のプレーは、チームメートにも伝わる。3回には右肩にボルトを埋め込んでいる多村が故障を恐れず、右翼ファウルゾーンのフェンスに激突しながら中日荒木の打球を好捕。一丸だった。
小久保
(観客席に飛び込んで)足から血が出とるわ。大丈夫や。しかし、この日本シリーズ楽しいわ。俺、楽しむってことないんやけど、本当に楽しいって思える。明日も楽しむよ。
常に1点を争うゲームで3勝3敗。どちらが勝ってもおかしくない試合が続いた頂上決戦。普段「今の選手は、試合を楽しむって、よく言うけど、俺にはできない。試合は勝負の場」と口にするスラッガーに、プロ18年目を締めくくる日本シリーズで、新たな感情が芽生えていた。
バットは好調だ。2回に中日吉見からチーム初安打の中前安打を放って、5試合連続安打。2三振を喫したが、紙一重のスイングだった。さあ、最後の1試合。勝って、日本一の笑顔を浮かべる。【松井周治】



