巨人坂本勇人内野手(22)が、ヤクルトの大ベテラン宮本慎也内野手(41)との合同自主トレに参加することが4日、分かった。プロ入りから主将の阿部と自主トレを行ってきたが、宮本とオフの自主トレについて話をする中で、参加を志願し快諾された。昨年までヤクルト川端らが参加してきた宮本の自主トレは、球界屈指のハードトレーニングで有名。今季はリーグワーストタイの18失策。守備力向上に向け、球界屈指の名手“宮本塾”で鍛錬に励む。

 尊敬する守備の名手との合同トレに、坂本の目はギラギラだった。宮本は08年のオールスターで守備論を伝授されて以来、声を掛けてくれる球界の“師匠”的な存在。オフの取り組みについて、助言を受ける中で参加を志願した。快諾を受け、実現した夢のコラボに「教えていただきたいこともいっぱいあるし、一から鍛え直す気持ちです」と力を込めた。

 守備力向上は、来季に向けた最大のテーマだった。守備範囲が広く、再三守備でチームを救ってきた一方で、リーグワーストタイの18失策。凡ミスでの失策もあったことから、驚異の守備率9割9分7厘を誇った宮本の守備理論は、課題克服への道しるべになる。「宮本塾」では正しい捕球体勢やスローイングなど守備の基礎練習から開始。原点に立ち返り、堅実な守備を体に染み込ませる。

 同一リーグの2人が合体する裏には、球界発展への思いがある。「宮本塾」には、ヤクルトのルーキー山田らも参加する。宮本は「うちの若い選手にも刺激になる。敵味方を問わず、野球を盛り上げていくためにも、切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と歓迎。「内野守備はプロの技術を見せる絶好の場所だし、お客さんに喜んでもらう見せ場にもなる」と内野手の花形とされる遊撃手の守備で、ファンを魅了することにも期待した。

 坂本は、選手会会長を務めた宮本のリーダー論も積極的に吸収するつもりだ。「球界を先頭に立って、引っ張られている方。そういうことも勉強できれば」と意欲的に話した。ハードトレで知られる「宮本塾」に向け、すでに自主トレを開始。秋季キャンプから強化してきたウエートトレーニング中心に汗を流す。「2年連続で悔しい思いをした。来年こそは絶対に優勝したいし、チームの勝利に貢献できるようにやっていきたい」。確固たる技術を得て、鉄壁な守備を見せる。【久保賢吾】