メジャー最多安打男のバットで、初のシーズン200安打を狙う。ソフトバンク内川聖一外野手(29)が来季の使用バットに、メジャー通算4256安打のピート・ローズ型を準備することになった。9日、大阪市内のホテルでミズノ社との打ち合わせに臨み、グリップエンドのないピート・ローズ型バットを含めた3種類を要請した。ピート・ローズはシーズン200安打10度のヒットマン。「180~190、200安打。それくらい打つために考えたい」と内川は、自身初のシーズン200安打を目標に掲げた。

 移籍1年目の今季、MVPを獲得しても貪欲だった。バットの太さをわずかに細くする新バージョンと、柴原モデルのグリップを変更しただけで終わらない。打ち合わせ会場に展示されていたピート・ローズ型のバットを手にして「持った感じがいい。左手の感覚がすごくいい」とつぶやいた。

 グリップエンドがないのが特長。左手首への負担も軽減すると言われる。今季は右太もも裏を痛めて30試合欠場。来季は初めて専属トレーナーとの契約を検討するほど、全試合出場に執心する。日本シリーズではグリップにテーピングをして極太にし、中日ベンチから確認される一幕もあった。こだわりのグリップに、メジャー最多安打男のエキスを取り入れようとしている。

 自らのことを「いいものがあると、すぐに目移りする。よさそうなものはすぐに使ってみるタイプ」と評するように、向上心の強さを自覚している。プロ野球史上2人目の両リーグ首位打者は来季、08年にマークした189安打の自己最高記録を塗り替え、200安打突破に挑戦する。【松井周治】