ソフトバンクが、巨人入りが確実となっている杉内俊哉投手(31)の逆転残留へ“奥の手”を使う。明日11日に福岡市内で行われるVパレードで、杉内と笠井和彦オーナー代行(74)が同じオープンカーに乗る予定だ。日本一の喜びに浸る中、巨人への思いが一層強くなった杉内の心を揺り戻す作戦を敢行する。

 笠井オーナー代行は昨年のパレードで、海外FA権を行使した多村とオープンカーに同乗し、その場で口説き落とし残留させた。杉内も笠井オーナー代行に絶大な信頼を寄せている。巨人入りが秒読み段階となっている絶体絶命のピンチ。ホークスファンの熱い声援を後押しに「絶対に他へは行かせない」と得意の口説き文句で残留を訴える。

 年俸変動制の4年16億円からの大幅増も検討中。杉内側が巨人に「終身エース手形」を求めたことに対抗し、継続的に「生涯ホークス」を訴えていく方針を固めた。小林至取締役(43)は「柔軟に考えたい。どんな形でも残ってほしい」と大逆転残留をあきらめていない。あらゆる手を尽くしてエース流失を防ぐ。【奈島宏樹】