ソフトバンク秋山幸二監督(49)が、松中信彦外野手(38)の自主トレを“視察”する。12日、旅行先のグアムに向けて福岡空港から出発。現地で松中がトレーニング中なのは把握済みで「タイミングが合えば、会えるな」とにんまり。指導はできなくても指揮官登場とあれば最高のモチベーションアップになるはず。今季のキーマンの心をグアムからたきつける。

 愛弟子の本格復活を願っての“視察”プランだ。昨年は右膝骨折もありながら打率3割8厘と5年ぶりに3割超え。13年連続2桁の12本塁打に加え、クライマックスシリーズでは代打満塁弾と底力を見せつけた。秋山監督は「一昨年走って、去年良かったから。しっかり走って、な」と走り込んでいる姿を想像した。現役時代、グアム自主トレに松中を呼びともに汗を流した。「10種」と名付けた下半身強化メニューは今も伝統として残る。2人にとっては特別な場所なのだ。

 今オフ、FAで西武から獲得した帆足に対する補償で、球団がプロテクトした28人から漏れた。松中は「見返したい」との言葉で悔しさを表現しており、指揮官との直接会談が実現すれば最良の心のケアになる。

 この日秋山監督は「とっくに終わっているよ」と契約更新したと明言。昨年、球団幹部は「我々の目標はV10」と巨人のV9伝説を上回る黄金時代を目指す構想を明かしており、契約期間は再び3年とみられる。まずは連続日本一へ。キャンプ前最後の休暇先で現役唯一の3冠王を発奮させる。【押谷謙爾】