ソフトボーイが“プロ初マルチ”で対外試合デビューを決めた。日本ハムのドラフト7位大嶋匠捕手(21=早大ソフトボール部)が9日、2試合連続で紅白戦に「8番DH」でスタメン出場し、3打数2安打をマークした。8日の“プロ初本塁打”に続く猛アピールに、栗山英樹監督(50)も11日の広島との練習試合(名護)にも出場させることを明言。異色ルーキーが自らの力で新たな出場機会を勝ち取った。
第2クール最終日も主役は大嶋だった。2回の第1打席。紅組先発の右腕、矢貫の内角直球を詰まりながら右前へ運んだ。「(バットの)芯に当たっていたらファウルだった」と、体を開かず、腰を回転させてフェアゾーンに打球を飛ばした。5回の第2打席は左腕の土屋から初球の外角直球を左前へ運び「バットを振ったら三塁方向へいきました」と振り返った。共通するのは、フルスイングだったということ。それを可能にするのは「当てるだけだったら自信がある」というミート力の高さだ。
早大4年時のソフトボールの試合では、三振した記憶がないという。「空振りもほとんどしなかった。三振も1個したかなあ」。投手と捕手の間の距離は、ソフトボールが14・02メートルで野球は18・44メートル。4・42メートルも短い距離で、体感スピードが約160キロともいわれる球をとらえてきた能力を野球でも生かしている。紅白戦2試合の5打席で、空振りが1度もない。しっかり球を見極める選球眼も快進撃を支えている。
栗山監督も打撃技術の高さを称賛した。「バッターとして、ボールのつかまえ方にいいものがある。だからヒットゾーンに飛ぶ」と、うなった。左前打となった第2打席に関しては「バットの角度がうまいから、ああいう打球が飛んでいく」と、偶然ではないと解説した。
猛アピールを受け、ご褒美も与えた。「休み明けも呼びます」と、11日の広島との練習試合に招集することを決めた。「今は学ばなきゃいけないものを後回しにして、打つ方だけで勝負した方がいいのかもという勢いもあるし、チームの刺激にもなる」と、若手の競争心をあおる起爆剤としても期待した。
周囲の評価を高めたこの2日間で、新たな発見もあった。大嶋は「中田がすごい。投手がクイックする時は、(打撃フォームで)最初から右足に重心を置いている。自分もマネできるなと勉強になった」と、同期生から打撃向上のヒントを得るなど、抜け目もない。新たなチャンスを得て、闘争心もさらに上がる。「相手が他球団の方が燃えるかな」。対外試合デビューを勝ち取ったソフトボーイの進化が加速している。【木下大輔】



