オープン戦4番どころか、開幕4番もあるぞ!

 中日山崎武司内野手(43=楽天)が21日、シート打撃で平井からバックスクリーン横へ本塁打をたたき込んだ。17日のシート打撃に続くアーチで、居残り特打を行うなど絶好調。主砲トニ・ブランコ内野手(31)が腰痛で練習を回避しており、4番争いで大きくリードした。

 豪快な弾道に、見守った観客が目を奪われた。シート打撃の最終スイングで、ベテラン平井の真ん中付近のストレートを振り抜くと、打球はバックスクリーン右横に飛び込んだ。スタンドからの拍手喝采に、山崎は笑顔で応えた。打たれた平井も「甘く行くとやられますね。よく飛びますし」と舌を巻いた。17日のシート打撃でも吉見から1発を放っており、練習試合などで湿りっぱなしの若手野手を尻目に、43歳のバットは絶好調だ。

 よほど気持ちが乗ったのか、全体メニュー終了後には予定になかった特打を敢行。フリー打撃10分で40スイング、ロングティーを20分で80スイング。合計30分120スイング。オジサンは元気いっぱいだ。

 山崎

 このトシになると天候とかも(影響が)あるのでね。予定にはなかったけど、今日は暖かかったから力を入れてバッティングをしました。

 この日、4番を争うブランコが腰痛のため練習を回避した。山崎が、このまま4番を奪い取ってしまいそうな勢いだ。

 山崎

 まだ先は長い。ブランコとの勝負に勝ったほうが1軍の試合に出られる。(4番は)打つ人がいないなら僕が打ちますよ。でもブランコがいないから代役で、じゃ寂しい。誰がいても山崎打てよ、と言われるように頑張りたい。

 野球が出来ることに感謝の気持ちも忘れない。この日練習終了後のイベントでは中学生を前に楽天在籍時の昨年に遭遇した東日本大震災について語った。被災者とともに過ごした1年後、楽天を去り古巣中日に復帰した。

 山崎

 野球が出来る喜び、古巣に戻れた喜びがある。ここまでは思ったより順調。開幕スタメンを目指して頑張りますよ。

 高木監督も「(山崎が)打ちゃあ多少は(ブランコも)焦るでしょう。早めにバーンとやってくれれば」と相乗効果を期待する。25日のロッテとのオープン戦(北谷)で4番デビューの予定。「新しい山崎武司を北谷のみなさんに見てもらい、アピールしたい」。豪快弾で、開幕4番の座を引き寄せる。【高垣誠】

 ◆山崎の開幕4番

 05年から7年間所属した楽天で3度ある。07年(西武戦)、10年(オリックス戦)、11年(ロッテ戦)で、通算成績は11打数1安打の打率0割9分1厘、1打点、0本塁打。前回の中日時代は通算105試合で4番を務めたが、開幕4番はなし。03年から2年間所属したオリックス時代もない。