頂点へ一直線!!

 阪神藤川球児投手(31)が2月29日、沖縄・宜野座の春季キャンプを打ち上げ、チームの結束力に手応えをつかんだ。この日のブルペンは和田監督を打席に迎えて投球。直球で外角をズバッと突いたかと思うと鋭くフォークを落とす。充実のマウンドさばきを披露した。

 リリーフエースの頼もしい姿に指揮官も「こっちが思うメッセージを込めた。『1年間、頼むぞ!』というところをね。言葉でも言えるけど(行動で)くみ取ってくれるはず。今すぐにでも開幕できるほど」とうなった。オフに藤川を投手キャプテンに指名。若手を精力的に指導する守護神のリーダーシップはチームに好循環を生んだ。

 藤川

 監督がやりたい方向でチームは進んでいる。みんな、元気。試合でアピールしたり、自由にできたり、やりやすい環境は整いつつある。チームの一体感、結束は出てきたのかな。

 22人でキャンプインした投手陣は新人の伊藤和が故障離脱しただけ。多くの選手が沖縄で着々と「土台」を築き上げた。それでも藤川自身は冷静に振り返る。

 藤川

 まだ何も始まっていない。個人の能力が上がったかはシーズンではっきりする。準備するだけ。日本一になれるよう、精いっぱいやるのは変わらない。

 投手藤川も盤石の調整でオープン戦に入る。この日も課題のクイック動作を工夫。右肩の前にグラブを置く体勢で投げ、最速1・18秒を計測した。「まあまあ順調。自分の中で大きな1年。今までの1年と違う」。覇権奪回に執念を燃やす男が確実な歩みで開幕へと向かう。【酒井俊作】