<オープン戦:阪神0-4オリックス>◇3日◇安芸

 虎の秘密兵器!?

 阪神の育成左腕、ロバート・ザラテ投手(25)がオリックス戦で初めて1軍戦に登板し、1回無失点に抑えた。T-岡田、バルディリスを相手にグイグイと連続で空振り三振。3者凡退で和田監督ら首脳陣をうならせ、2年目の支配下選手登録が現実味を帯びてきた。

 T-岡田には2ボール2ストライクから直球で空振り三振。バルディリスにも外角スライダーなどでカウントを整え、最後は外角速球で空を切らせた。「球速よりもストライクを投げることが大事さ。コントロールは自分でも課題だけど、まあまあ良かった」。和田監督は「そう簡単に打たれない球を投げていた。戦力になる。その(支配下登録への昇格という)選択肢や可能性が出てくる」と興奮気味に振り返った。

 この日の最速は148キロも、オリックス関係者は「あの球(T-岡田への勝負球)は150キロ出ているだろう」と評した。評判にたがわぬ球威に、一塁側にクロスステップする変則的な投球フォームも大きな武器。南米ベネズエラから海を渡り、日本の独立リーグでもプレーしたハングリー助っ人が、悲願の支配下選手登録を視界に入れた。【酒井俊作】

 ◆ロバート・ザラテ

 1987年2月1日、ベネズエラ生まれ。05年にブルージェイズ入りし、ルーキーリーグでプレー。09年8月にBCリーグ群馬入り。直球の最速は153キロで「群馬のチャプマン」と評された。スライダー、カットボール、チェンジアップなどを操る。10年オフに育成枠で阪神入り。191センチ、92キロ。左投げ左打ち。推定年俸400万円。