<オープン戦:阪神1-3ヤクルト>◇14日◇甲子園

 和田阪神が早くも「聖域」を取り除いた。ヤクルト戦の先発メンバーには、城島が4番で記されていた。打線の中心に座ってきた新井貴が6番にズレる。現時点での調子の波に応じた新オーダーだった。

 和田豊監督(49)は「あと10試合でそろそろレギュラークラスも、エンジンをかけていかないといけない時期に来たんでね。バッティングコーチも考えているし、このままの流れではいけないということもある」と話した。前日のヤクルト戦でオープン戦4度目の完封負け。チーム打率は1割台で、12球団最下位。本領には遠い新井貴を降格し城島を中心に置いたのは、打線に入れたムチだった。

 ハイアベレージを継続する城島は指名に応えた。4回裏1死一塁で、左腕日高から中前にクリーンヒット。6回にも痛烈な左飛を放ち、ベンチに退いた。「最後の当たりは良かった」と感触に満足げ。4番の質問にはちゃめっ気たっぷりに「緊張してノドがカラカラ…」と返し、隣にいた鳥谷が「うそばっかり」とツッコミを入れた。一塁の守備でも、カメラマン席に飛び込む邪飛を必死に追いかけた。昨年に手術した左膝の状態は良好だ。

 開幕4番は新井貴が決定的な状況かと思いきや「固定観念は捨てる」と言ってきた和田監督の言葉はうそではなかった。アクシデントに備えてかと問われた片岡打撃コーチは「いや。一番いい流れができるものを探す」と即答。シーズンでも4番城島の可能性はある。【田口真一郎】