日本ハムの2年目右腕、斎藤佑樹投手(23)が今月30日西武戦(札幌ドーム)で開幕投手の大役を任されることが18日、決まった。栗山英樹監督(50)がこの日までに決断し、開幕投手に斎藤を指名する旨を首脳陣に説明。ヤクルト戦(神宮)後「今から(投手陣に)話をします」と話し、この試合で先発した武田勝らに開幕後の登板日を正式に伝えた。栗山監督は、ダルビッシュの移籍が決まった時から「開幕投手=斎藤」という青写真を描いていた。武田勝を2戦目以降にしてエース同士の対戦を避け、確実に勝ち星を増やすという戦略的な意図もある。また、斎藤に将来のエースとして自覚を持って欲しいとの願いも込められている。

 ただ、現実は甘くはない。昨年は6勝6敗にすぎず、今年も日本代表戦を除く実戦5試合全てで失点と結果を残していない。2月には開幕戦の対戦相手、西武のエース涌井が「僕は(日本ハムの開幕投手が)武田勝さんだと思っている」と発言。ダルビッシュもこの日、ツイッターで「あまり現状はわかりませんが、開幕は武田勝さんじゃないんですかね?」とつぶやいた。周囲の納得を得られる状況には至っていない。

 開幕日が近づく中で指揮官の迷いは深くなる一方だった。「親の心、子知らずっていうね…。でも、そろそろ決めないとね」。あえて厳しい宿題を斎藤に課すことを決めた。

 この日、斎藤はブルペンで155球を投げ込み、オープン戦最終登板となる22日ソフトバンク戦(札幌ドーム)に備えた。指揮官の思いに応えるためには、精いっぱいのパフォーマンスを披露するしかない。