<巨人0-4ヤクルト>◇30日◇東京ドーム

 歴史的補強を施した「無敵ジャイアンツ」が、77年の歴史で初めて、開幕戦で完封負けを喫した。しかも9回1死まで無安打と、あわやノーヒットノーランという無残な負けっぷり。開幕戦2安打もワースト。V奪回へ猛進するはずが、屈辱的なスタートを切ってしまった。原辰徳監督(53)は「チームとして、いいところが出なかったですね」と投打ともにダメと脱帽。「負ければ144分の1よ。明日から切り替えていくということ。開幕戦を取れないのは残念ではあるけどね、しかし全力を尽くしてこういった形で結果が出たわけだから、明日また、しっかり戦います」。あまりの完敗に、むしろサバサバと話した。

 投は内海が誤算。昨年の最多勝左腕に託したが、6回12安打3失点。重心が高く、本来の球威が出ていない。変化球中心の組み立を見透かされ、チームで襲いかかるヤクルト打線の餌食になった。東京ドームのヤクルト戦は、プロ入り以来10連勝と無敗を誇っていた。同球場の対ヤクルトに12安打を食らうのも初めて。データ上は必勝を期した開幕だったが、初黒星を喫してしまった。原監督は「今日の内容からいうと3点でよく抑えたなという。投手に打たれたり、反省することは多々あるでしょう」。2番手のロメロも誤算。いきなり四球ではナインの士気も下がる。若手がロメロを追いやらないと、同じ光景は繰り返される。

 打は誤算というより、春が遠い。不振だったオープン戦終盤は消極的な凡退が多かった。この日はファーストストライクを打ちに行く、積極性は見られた。だが、技巧派・石川に料理されるばかり。積極性がアダとなり、結果にはつながらなかった。村田は「あれだけコーナーを攻められれば、狙っていても厳しいボールは打てない。やられました」と素直に脱帽。まだ1敗。投打とも出直すしかない。【金子航】

 ▼巨人は9回に出た坂本、ボウカーの2安打だけで完封負け。巨人が開幕戦で完封負けを喫したのは球団史上初めて。現12球団で巨人だけが開幕戦の完封負けがなかった。また、開幕戦の2安打は、過去5度あった3安打を抜いて球団史上最少。巨人が9回にチーム初安打を記録したのは10年8月18日中日戦以来だが、前回も坂本が9回先頭で初安打を放ってノーヒットノーランを免れている。