<広島2-0巨人>◇5日◇マツダスタジアム

 G3連倒じゃ!

 広島が本拠地開幕カードで24年ぶりに3連勝を飾った。先発篠田純平投手(26)が7回6安打無失点。4安打で効果的に2点を奪って完封勝ちした。巨人戦の同一カード3連勝はマツダスタジアムでは初で、5年ぶりの痛快劇。投手陣は強力打線を3試合で1失点に抑え、地元ファンに投手王国復活を強く印象づけた。

 サウスポーが大トリを飾った。篠田の狙いがはまり続けた。最大のピンチは、1点リードの5回1死一、三塁。一度間を取って、野手と意思確認を行った。

 「ゲッツー狙いで」。ボウカーへの2球目は134キロのボールが横滑り。二塁-遊撃-一塁と渡る併殺でピンチを切り抜けた。7回6安打無失点。24年ぶりの本拠開幕カード3連勝、そして5年ぶりの巨人戦同一カード3連勝の勝利投手になった。

 篠田

 プレッシャーはあったけど、勝てて良かった。立ち上がりは緊張したけど、序盤からカーブが使えてアウトに出来て、徐々に緊張がほぐれた。

 新球カーブが、威力を発揮した。先頭坂本を左飛に仕留めると自信を持って投げられるようになった。2回1死一塁でも高口をカーブで併殺打。2度の大暴投も新球のすっぽ抜けだったが、試行錯誤の段階でも手応えはあった。

 篠田

 昨日、一昨日と、巨人打線は、早いカウントで振ってきていた。カーブを投げたら、初球から振るだろうと思っていた。

 手本があった。本拠開幕戦だった3日。大竹の投球はモニターにくぎ付けになった。100キロ台のカーブで緩急を付け、強力打線を翻弄(ほんろう)していった。初登板に向けてのイメージが固まった。

 開幕戦の3月30日は、ウエスタンリーグ・ソフトバンク戦(雁の巣)で登板。開幕メンバーで唯一、チームから離れていた左腕は、新幹線の中で“正月”を迎えた。平常心を保とうと登板直前になっても生活リズムは変えなかった。

 篠田

 今日は今日で切り替えて、また明日からがんばります。

 先発ローテで唯一の左腕には自覚がある。1年間ローテを守ることが使命。スタートの1勝だけではもちろん飽き足らない。【鎌田真一郎】

 ▼広島の本拠地開幕カード3連勝は、88年4月8~10日阪神戦で記録して以来、24年ぶり。北別府、大野、川口がそれぞれ勝利投手になった。本拠地での巨人戦の同一カード3連勝も07年8月14~16日以来、5年ぶり。いずれもマツダスタジアムでは初。