<ロッテ5-2巨人>◇26日◇QVCマリン
ロッテのサブロー外野手(35)が、昨季所属した巨人の連勝を止める1発を放った。1点を先制した直後の3回2死二、三塁、先発沢村が投じた142キロの直球を左翼中段へ3号3ラン。プロ17年目の昨季途中に放出され、半年間在籍した経験から剛腕の性格を読んで、狙い打った。交流戦の首位を独走する古巣に、パ・リーグ首位チームの4番として存在感を示した。
サブローは沢村の鬼のような形相を見て決断した。「馬力のある投手。絶対にストレートで押してくる」。予感ではなく確信。昨季、巨人で同僚だったからこその根拠だ。「(昨季見て)ルーキーなのに面構えがいい。向かっていく姿勢がある。今日は絶対に気持ちで負けたらいけない」。だから、直球一本に絞った。
3回2死二、三塁。内角高めの威力のある142キロ直球に対して、体をねじるようにしてフルスイングした。打球が高々と上がる。海風の影響をまともに受ける高い放物線だったが、オレンジに染まった左翼席に着弾した。
沢村は好きなタイプだった。投手として、人間として。「ある試合で『1発お願いします』と言われたことがあった。普通、ルーキーはなかなか言えない。この子はすごいなと思った」。昨年7月15日のヤクルト戦。力投していた沢村から本塁打を望まれたが、遊直に終わった。結局、沢村が登板した試合では18打数1安打。ユニホームを変え、認めている後輩から打った1発は、うれしくもあり、約束を果たせないまま痛烈な“恩返し”をしてしまった複雑な思いもあった。
昨季途中で巨人にトレードで放出され、シーズン後にFAで異例の復帰を果たした。巨人で若手から慕われ「残留も迷った」。だがその思いをも上回ったのはロッテへの愛着。「巨人にいても毎日、ロッテの結果が残った」。ロッテが古巣になっても「うちのチーム」という言葉を使ってしまう。体に、心に、ロッテが染み付いていた。
3年契約で復帰し、巨人で学んだことはロッテの糧にしたいと思う。「アーリーワークに打ち込む姿勢、原監督の視線を意識した緊張感とか、若い子たちに還元したい」。唐川とは毎回先発ごとに反省会を行う。高みを目指すため、話し合いを重ねている。
特別な思いを抱いて臨んだ巨人との本拠地での連戦。「(本塁打を)打ちたいと思っていたけど、1本出てよかった」。ロッテの4番の誇りにかけて、巨人の連勝街道を止めた。【広重竜太郎】



