<阪神3-2西武>◇27日◇甲子園

 動いて、怒って、最後に笑った。ベテラン桧山を4年ぶりに先発守備に起用するサプライズ采配を振るった阪神和田豊監督(49)が、執念で勝利を手にした。5回には藤井彰の守備妨害のジャッジに猛抗議。3番鳥谷に犠打をさせるなど、指揮官の熱く、激しいタクトがさえた。

 勝てぬなら、勝たせてみよう…。指揮官の執念が、歓喜の瞬間を呼び込んだ。

 和田監督

 本来ならば、もう1回早く決めてほしかった。(関本は)選球眼がいいバッターだから、四球もあるかもしれない中で、うまい当たり方だった。

 最終回はブラゼルの右前打から始まり、代打今成の犠打。じわりと西武を追い詰め、代打関本の押し出し死球で今季4度目の3連勝を飾った。

 ◆執念その1

 試合開始直前のサプライズだった。自打球の影響で守れない金本に代わり、ベテラン桧山を4年ぶりの右翼スタメン起用。好調のマートンを4番に配置した。「4番金本の代わりは、若手には荷が重い。カネの代わりができるのは、桧山しかいない。思い切って起用した」。得点には結びつかなかったが、固定観念にとらわれない姿勢を貫いた。拙攻で勝利を逃したソフトバンク戦から一夜明けて、和田監督は動きを出した。

 ◆執念その2

 就任以来最も激しい抗議だ。5回裏無死一塁。藤井彰がバントで一塁線近くに転がした。捕球しようとした西武の捕手炭谷と体がぶつかった。これが守備妨害と判断され、アウト。指揮官はベンチを飛び出した。「守備妨害じゃないだろう!」。抗議は5分近くに及んだが、覆らず。「バントは完璧だった。ブラも殺されるタイミングじゃなかった。言うことは言った。その上で審判の判断もある。仕方がない」。

 ◆執念その3

 同点で迎えた8回だ。先頭の柴田が出塁し、3番鳥谷にバントを命じた。4月4日ヤクルト戦以来の犠打を記録。そして1死満塁の好機で、6番新井。和田監督はネクストサークルで自ら声をかけた。ゲキの中身は明かさなかったが、大きな勝負どころだった。「どこの打順にいっても、新井にチャンスで回ってくる。どこかでカラを破ってくれないと。明日以降も、きっとその場面は来る。そこで何とか1本ほしい」。併殺打でチャンスは消えたが、執念の連続は9回裏に結びついた。

 チームを勢いづけ、勝率5割に復帰した。指揮官には、まだまだ物足りない。

 和田監督

 交流戦の最初にファンに心配かけたが、チームに粘りが出てきた。交流戦は借金が2つある。まずはそこを返したい。

 5連敗の屈辱はまだ胸に残っている。ひと息つく暇はなかった。【田口真一郎】