<阪神3-2西武>◇27日◇甲子園

 バーゲンに行く主婦のように阪神能見篤史投手(33)は、耳寄り情報を逃さなかった。打者の話を聞き逃さない。「甲子園のデーゲームはボールが見づらい…。影が入るからね」。晴れた甲子園。季節にもよるが、5回あたりになると、バックネット裏の銀傘の影が投手と打者の向き合う18・44メートル上にかぶる。視界に微妙な影響を受ける打者心理を知り、マウンドで精神的優位に立った。

 この日、中盤に入ると圧巻の内容だ。能見は「打者がね、そう言っていたんですよ」と話す。まさに打者が不利な5回は3者連続で空振り三振を奪う。片岡を外角低めフォークで仕留めるなど、投球術がさえ渡った。

 「チェンジアップもうまく使えた。ボール球を振らせて三振になった。下半身をしっかり試合後半から使える感覚になった」

 奪三振ペースは衰えない。昨季、48本塁打でキングに輝いた中村には6回に外角直球で見逃し三振、9回はフォークで空を切らせた。

 1回に3安打を浴びて2点先制されたが、2回以降は立ち直る。球は低めに集まり、昨年8月9日中日戦(ナゴヤドーム)以来の12奪三振。代打を送られた9回のサヨナラ勝ちで白星が転がり込み、今季4勝目を挙げた。「初回に2点を取られている。ブルペンでもあまりいい感じじゃなかったけど(試合の)マウンドで修正できた。次回につながるようにしたい」。今日28日の33歳誕生日を力強い投球で前祝いした。昨季、完封勝利を挙げた西武戦でまたも完投し、いまや「レオキラー」だ。【酒井俊作】